JFレポート特集 【特集 特別座談会】「SDGsから未来の海を考える」後編2/2 2023.1.18 全国の漁連・漁協 印刷する この情報は、北海道漁業協同組合連合会(JF北海道ぎょれん)からの提供です。 前後編を、それぞれ2回にわたって公開します。 以下、後編2/2回目をお届けします。 * * * <出席者> さかなクン / JF全漁連 魚食普及推進委員 渋澤温之氏(以下、渋澤専務) / パルシステム生活協同組合連合会 代表理事専務 三浦秀樹氏(以下、三浦常務) / 全国漁業協同組合連合会 常務理事 安田昌樹氏(以下、安田専務) / 北海道漁業協同組合連合会 代表理事専務(進行) * * * ▶【特集 特別座談会】~前編1/2~ https://d2ibfa0z4fy1bq.cloudfront.net/torikumi/hokkaido_zadankai22_01/ ▶【特集 特別座談会】~前編2/2~ https://d2ibfa0z4fy1bq.cloudfront.net/torikumi/hokkaido_zadankai22_02/ ▶【特集 特別座談会】~後編1/2~ https://d2ibfa0z4fy1bq.cloudfront.net/torikumi/hokkaido_zadankai22_03/ * * * -安田専務 次はパルシステムさん、今度は消費者という立場からSDGsの12番目「つくる責任、つかう責任」というのがありますけれども、これとどのように関わっているのか、あるいはどのような立ち位置に居るのかも含めてお話いただければと思います。 -渋澤専務 私たちは生活協同組合という組織ですので、17ある開発目標の一つだけ捉えて行動するというよりは、全体が繋がりながら、最終的にどこに重きを置いているのか。そういう問題意識で取り組んできたと思っています。 特に先ほどから言ってる通り、水産物で考えれば「つくる責任、つかう責任」に加え、「食べる責任」という立場が非常に大きいかと。何回も言いますが、やはり魚食文化というのが非常に重要だろうと考えています。そして、このことが先ほどから安田専務が仰られている浜のコミュニティに繋がるのだろうと思っています。 パルシステムの渋澤温之専務それとこれは農産物ですけれども、花見糖というお砂糖の話です。花見糖は、鹿児島県の沖永良部島(おきのえらぶじま)など3つの島のサトウキビを原料にそこでほぼ捨てるところ無く、端材も全部燃料に変えて作り、最終的には宮崎の方に運んで精製されて出荷するのですが、沖永良部島の方にとってみると間違いなく生業なのです。ですので「つかう責任、つくる責任」という立場で考えれば、私どもはこうした生業も考える必要があって、逆に言うと私たちがその販売を途絶えさせてしまったら、この方たちは生きていけなくなるのだと、そのくらいの責任があると思っています。 具体的には書いていませんが、SDGsが言っている持続可能な問題意識、誰一人取り残さないということはこういうことなのではないか、生業を作るために何がどう動く、というこの関係性も非常に大事だと思っております。 -安田専務 渋澤専務、ありがとうございました。最後に皆さんがこれからの漁業に必要だと思うこと、あるいは未来の漁業に期待することなどご意見あれば、伺いたいと思います。さかなクンどうでしょうか。 -さかなクン はい、日本の各地に様々な漁法があり、地曳網漁業や定置網漁業など一般の方も体験させていただける機会もありますが、親子やお魚に興味のある方はもちろん、初めてお魚を見たり、漁業を体験されたりした方も「こうやって獲っているんだ」「すごいなー」「獲れたてのお魚はきれいだね」とお目目をキラキラさせるんですね。その皆さまの感動されることに漁師さんもとても喜ばれます。まさに「生産者」と「消費者」の繋がりです。 漁師さんも自分たちの獲っているお魚を多くの皆さまが喜ばれることが、最高に嬉しいことだと思います。だからもっともっと漁業について知る機会が増えると嬉しいです。体験漁業が難しいときは、お魚売り場で直接お魚を見てみるのがいいですね。 さかなクン広く皆さまにお魚の関心を持っていただくためにNHK「ギョギョッとサカナ★スター」をはじめ、メディアでお魚や漁業についてお伝えしています。多くの皆さまのお魚や漁業を見たい・知りたいという知的好奇心に繋がれば、日本の漁業がさらに明るくなると思います。 -安田専務 同じく渋澤専務と三浦常務も何かあればお願いします。 -渋澤専務 今さかなクンが仰られたこと、本当に大事な視点だなと思います。私たちの組合員のご意見を聞くと、以前はそんなになかったのですが最近は「魚は生臭い」という声が結構増えてきましたね。私どもは流通の過程上、だいたいは冷凍の物を届けているのですが、それでもやはり生臭いという意見がありまして、マグロなんかはよく声としていただいています。 それと今多いのが、骨なんです。そもそも魚を食べて骨が無いというのは個人的にはどうかと思うのですが、結構ベトナムだったり、海外に持って行って骨取り加工を行っていますよね。 こうした食べてもらうための努力と新鮮な状態で届けたいという努力、長く続けていくためにこの矛盾を抱えながら、どう接点をしっかり作っていくのか。そのためにも実態をしっかりと知らないとならないと思いますし、そしてその実態を知らせていかなければならないと思います。 ―三浦常務 魚の生臭さというのは鮮度に起因してしまいますので、血抜き等の前処理をしっかりすればするほど、生臭くは無くなる。しかしながら、これに反して骨を取るなどの加工度を上げて手を加えれば加えるほど鮮度が低下して矛盾に繋がります。どう斥候を取っていくかが重要です。 私の方からは青年漁業者を中心にこれからの海洋環境の変化に対する勉強会を開いた際の話を紹介させていただきます。 その勉強会ではワシントン大学の太田義孝教授とWEBでお話したとき、「産業革命以降、累積した気候変動の影響というものは、確実に海の持続性を落としている。それは紛れもない事実であり、そうした視点から見ると、より良い未来というのはそれほど期待できないかもしれない」と言っていました。しかしながら、「アメリカでは資源管理や環境対策にしっかり取り組んでいると言いながらも漁業者がこのような勉強会に参加し、議論することなどまずあり得ない」とも言っていました。 JF全漁連の三浦秀樹常務日本では漁業者が環境変化に対して自ら学ぶために勉強会を開催している。つまりは漁業者が研究者や行政と同じテーブルに立とうとしている、これはすごい重要なことだと思っています。 中核的な漁業者が今後もこの海洋環境の激変を乗り越えるために、さかなクンの発信力ですとか、パルシステムさんの販売力とか、そして安田専務の脅しですかね(笑)、みんなが連携することで、漁師がしっかりと生活が出来て飯が食べられる、子どもたちに「おいしい」と言って魚を食べてもらえる、そういった未来に向けてこれからも取り組んでいきたいと思います。 ―安田専務 時間も迫ってきましたので最後に私の方から。いつも思っているのですが、漁業というのは自然と対峙する、どちらかという厳しい職業というイメージがあると思います。ですが反面、大変クリエイティブな職業だとも思っています。今後の漁業のためには資源対策、それと後継者対策、これが不可欠だと考えていますが、私自身もそうですし、さかなクンもそうですが、今日お集りの皆さんで漁業の素晴らしさをより広く発信していただければと思っております。 今、色々な事業や経済を継続する上でSDGsや環境対策は避けて通れない状況ですし、環境対策を推進するためには海を切り離すことはできないと思います。我々は今、「海の未来は人の未来」というメッセージを発信していますが、逆に言うと、「人の未来は海の未来」とも言えます。 私は水産業の持つ可能性は無限大だと思っていますが、これを生かすのも殺すのも我々次第というところもあろうかと思います。そして今後は様々な業界との連携がより加速度的に深まっていくのだろうと感じています。流通はもちろん、通販、加工、教育、あるいは環境、医学、製薬。こういった色々な業界との連携を通じて、より一層、海には多くの可能性を秘めているということを発信して行きたいと考えていますし、ぜひさかなクンにも今後ともご協力をお願いします。ということで今日の座談会を締めさせていただきたいと思います。 * * * 前後編を、それぞれ2回に分けてお届けしています。 ▶【特集 特別座談会】「SDGsから未来の海を考える」前後編で公開 ▶【特集 特別座談会】~前編1/2~ ▶【特集 特別座談会】~前編2/2~ ▶【特集 特別座談会】~後編1/2~ ▶【特集 特別座談会】~後編2/2~ JF全漁連漁協(JF)SDGs漁師北海道さかなクン全国の漁連・漁協全国の漁連・漁協のお知らせや活動について選り抜きの情報をお伝えします。このライターの記事をもっと読む
今夏の“土用の丑の日”は通販で“ウナギ”をお取り寄せ今夏の土用の丑の日は7月21日と8月2日。 今年はウナギも通販でお取り寄せし、お家で楽しんでみるはいかがでしょうか?2020.7.17JFレポートJF全漁連編集部
【シーフード料理コンクール25周年記念】歴代受賞レシピのアレンジ料理が都内9飲食店で食べられる「ギョギョッとおいしい!みんなで魚活フェア」開催(11月末まで)今年で25回目を迎えるJF全漁連主催の「シーフード料理コンクール」。 同コンクールの歴代受賞料理の中から厳選したレシピをベースに、東京都内の飲食店9店舗がメニュー化する「ギョギョッとおいしい!みんなで2024.11.8JFレポートJF全漁連編集部
第25回「全国青年漁業者交流会長崎県大会」が開催この情報は、長崎県漁業協同組合連合会(JF長崎漁連)からの提供です。 * * * JF長崎漁連は11月25日(金)、「第25回 全国青年漁業者交流会長崎県大会」を開催しました。 この大会は2022.12.19JFレポート全国の漁連・漁協
JFやまがた、海底・漂流ごみを処理する事業『海ごみバスターズ』を実施このコラムは、山形県漁業協同組合(JFやまがた)の広報誌『すいさん山形』(令和4年3月号第363号)に掲載されたものです。 * * * 山形県では、環境省の「海岸漂着物等地域対策推進事業※2022.5.13JFレポート全国の漁連・漁協
組合学校に第86期生2人が入学「協同組合精神を持った漁協職員を養成すること」を目的としたJFグループ唯一の教育機関であ る全国漁業協同組合学校(以下、組合学校)は4月4日、第86期生の入学式を行いました。2025.4.16JFレポートJF全漁連編集部
「静岡やさかなプロジェクト」マダイの試食などを通して活動をPRこの情報は静岡県漁業協同組合連合会(JF静岡漁連)からの提供です。 * * * 静岡県、静岡県おさかな普及協議会(事務局・JF静岡漁連)、キユーピー(株)が2024年度から取り組んでいる「2025.12.17JFレポート全国の漁連・漁協
JF北海道ぎょれん、「2022年度全道なみまるクリーンアップ作戦」を開始!― 生産者自らが行う海浜清掃活動―この情報は、北海道漁業協同組合連合会(JF北海道ぎょれん)からの提供です。 SDGsが掲げる目標のひとつである環境問題に対する取り組みです。 * * *2022.6.8JFレポート全国の漁連・漁協
パルシステムがJF全漁連に感謝状を贈呈 「お魚食べよう」の活動を評価 パルシステム連合会(以下パルシステム)が2024年4月から取り組んでいる、日本の水産業を守り、応援するサステナブルアクション「お魚食べよう」。 この取り組みの呼びかけに応えるかたちで、JF全漁連はパル2025.3.21JFレポートJF全漁連編集部
JF北海道ぎょれん、2024年度「全道なみまるクリーンアップ作戦」が始まりましたこの情報は、北海道漁業協同組合連合会(JF北海道ぎょれん)からの提供です。 * * * 「全道なみまるクリーンアップ作戦」(以下、「クリーンアップ作戦」)は、JF北海道ぎょれんの環境基本理2024.6.11JFレポート全国の漁連・漁協
食べて応援!丸の内×漁師さん応援プロジェクト開催東京の大手町・丸の内・有楽町地区(以下、大丸有)を舞台に、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けたさまざまな活動を行う「大丸有 SDGs ACT5」。 この取り組みの一環として、9月30日(水)まで2020.8.28JFレポートJF全漁連編集部
JF明石浦、コンテスト「サステナアワード2021」で農林水産大臣賞!明石浦漁業協同組合(JF明石浦)は、 2022年2月14日に開催された「サステナアワード2021 伝えたい日本の”サステナブル”」(主催:農林水産省、消費者庁、環境省連携「あふの環2030プロジェクト2022.2.24JFレポートJF全漁連編集部
おうちでFish-1グランプリ‐ONLINE‐開催!お取り寄せ企画の第1位は?JF全漁連が毎年、東京・日比谷公園で開催している魚の祭典「Fish-1グランプリ」。今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、会場での開催を残念ながら見送ることにしました。 しかしながら、新たな2021.4.1JFレポートJF全漁連編集部