水産業の新戦略 魚の価値を上げて、所得もUP 兵庫県但馬地域~「浜プラン」農水大臣賞の紹介~ 2020.6.29 JF全漁連編集部 印刷する 「浜の活力再生プラン」、通称「浜プラン」は地域ごとの特性を踏まえて、漁師や漁協(JF)、市町村などでつくる組織(地域水産業再生委員会)が自ら立てる取組計画。 その地域の人たちが自分たちで課題と解決策を考え、業界を越えた連携もしながら取り組む、ボトムアップの水産政策だ。 ▼浜プランについてはこちらの記事で 大臣賞など決定!「浜プラン」で所得UP 今回は、その「浜プラン」を活用し、漁師の所得向上やブランド力アップを実現した、兵庫県但馬地域の事例を紹介します。 徹底した販路拡大に地域全体で取り組んだこの地域は、昨年度の「浜の活力再生プラン優良事例表彰」で農林水産大臣賞を受賞しました。 浜プラン.jpコラムから転載▼ 組織名:兵庫県地域水産業再生委員会 但馬沖合底びき網漁業部会 構成メンバー:但馬漁業協同組合(JF但馬)、浜坂漁業協同組合(JF浜坂) 地域:兵庫県但馬地域(豊岡市、香美町、新温泉町) 漁業種類:沖合底びき網漁業 地域経済を支える沖合底びき網漁業風光明媚なことから多くの観光客が訪れる兵庫県の但馬地域は、豊岡市、香美町、新温泉町からなりました。 そこで古くから営まれている「沖合底びき網漁業」は、地域の基幹漁業として地元経済を支えてきました。 底びき網漁業で漁獲される全国ブランドのズワイガニをはじめ、エビ類、ホタルイカなどは、大消費地へ生鮮出荷されています。 また、地元では塩干品を中心に多様な加工品が製造され、但馬は水産物の一大供給地。 但馬地域の漁師や漁協、市町村で構成する「但馬沖合底びき網漁業部会」は、漁獲物の付加価値の向上、量販店や外食産業における販路の拡大などに取り組んでいます。 オリジナル魚醤で魚価を底上げ底引き網漁業で捕れる水産物は高価なものから、利用価値が低いものまでさまざまです。 単価の高い活ガニは、冷却海水水槽を活用。エビ類やホタルイカは船内凍結による高鮮度出荷を増やし、さらに付加価値を高める努力をしてきました。 一方で、値段が低い小型のハタハタやアマエビは、地域力で価値を上げました。 地元の水産加工業者などと連携して、ハタハタや甘エビなどを使ったオリジナルの魚醤を開発。 この魚醤を使った味付けノリやドレッシングなどの商品化を進め、販売を促進することで、値段が安く利用価値が低かった小型のハタハタやアマエビなどの需要が高まりました。 県内外で但馬産の水産物をPR但馬地域では、「かすみ松葉がにまつり」、「浜坂みなとほたるいか祭り」などのイベントで直接販売を継続して行っている(イベントは、兵庫県機船底曳網漁業協会、JF但馬及びJF浜坂、地元の観光業界とタイアップして開催)。 さらに、地域内の民宿や旅館、ホテルにおける水産物の利用推進や、インターネットによる情報発信も実施している。 都市部でもポスターを掲示するなどして水産物を広くPRしたり、漁協の青壮年部や女性部が、漁業体験や料理教室を開催。 これらの活動はメディアにも取り上げられ、県内外で但馬産の知名度が高まってきています。 「食べ方の提案」で需要を喚起量販店や飲食店での活動も展開しています。 兵庫県漁業協同組合連合会(JF兵庫漁連)と連携し、大消費地の量販店に向けて積極的な販売促進を行いました。 PRしたのは、船内凍結したエビ類や高鮮度な生ホタルイカ「浜ほたる」など。 量販店で開かれた「地魚フェア」では、ホタルイカの釜揚げを試食で提供。 ボイルでの販売が多いホタルイカだが、新しい食べ方を提案し需要を喚起しました。 都市部のレストランや外食産業に対しては、但馬地域産魚介類の旬の時期や調理法などを周知しました。 資源管理で安定供給安定して、旬の水産物を提供するために欠かせないのが「資源管理」。 但馬地域の底引き網漁業は、休漁や禁漁区を設定するなど、長年自主的な取組を実施している。 また、生産コストを抑制するために、船の航行速度を落とすなど、地道な取り組みにも力を入れています。 「但馬沖合底びき網漁業部会」の取り組みは、地域が一体となり、「浜プラン」を実践することで、漁業所得の向上を達成した事例です。 ▼「浜ほたる」特設サイト JF浜坂 ▼「麹の魚醤」特設サイト JF但馬 浜プラン近畿JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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