JFレポート 2024年度「浜の活力再生プラン優良事例表彰式」を開催 8地域の地域水産業再生委員会に表彰状授与 2025.3.27 JF全漁連編集部 印刷する JF全漁連は、「浜の活力再生プラン(浜プラン)」の実践により、優れた実績を上げた「地域水産業再生委員会」を2017年度から表彰しています。 3月10日に農林水産省講堂で開催された「2024年度浜の活力再生プラン優良事例表彰式」では、浜プランの実践により、優れた実績を上げた8地域の地域水産業再生委員会に対して、滝波宏文農林水産副大臣や森健水産庁長官、坂本雅信JF全漁連会長、関係団体代表らが表彰状を手渡しました。 滝波副大臣から農林水産大臣賞の表彰状を受け取る大黒芳信JF若狭高浜組合長【浜の活力再生プラン(浜プラン)】とは 「浜プラン」は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取り組みです。 地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取り組み計画を「浜プラン」と呼びます。 その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入の向上やコスト削減の取り組みなど、多種多様で具体的なプランが実践されています。 詳細は専用サイト「浜プラン.jp」をご参照ください。 【地域水産業再生委員会】とは 漁業者や漁業協同組合、市町村などが構成員となり、「浜プラン」に取り組む組織です。 ≪2024年度「浜の活力再生プラン 優良事例表彰」受賞団体一覧≫◆農林水産大臣賞 高浜地区地域水産業再生委員会【福井県】 ◆水産庁長官賞 宍道湖流域水産業再生委員会【島根県】 大阪市地区地域水産業再生委員会【大阪府】 ◆全国漁業協同組合連合会会長賞 父島地域水産業再生委員会【東京都】 佐伯地区地域水産業再生委員会 上入津地区作業部会【大分県】 ◆農林中央金庫理事長賞 島野浦地区地域水産業再生委員会【宮崎県】 ◆全国共済水産業協同組合連合会会長賞 秋田県地域水産業再生委員会(八峰町地区)【秋田県】 ◆全国漁業共済組合連合会会長賞 松阪地域水産業再生委員会【三重県】 受賞者との記念撮影農林水産大臣賞を受賞した高浜地区地域水産業再生委員会代表の大黒芳信JF若狭高浜組合長は受賞後、「浜の活力を取り戻すために、漁獲物の付加価値向上やイベント開催など約10年かけてさまざまな取り組みを展開してきた。現在では若手漁業者の移住者も増え、漁村が元気になってきていることを実感している。魅力ある漁師町ならではの伝統を残しつつ、地区の活性化につなげていきたい」とコメントしました。 受賞コメントを述べる大黒JF若狭高浜組合長選定委員会委員長のコメント最後に講評として、「浜の活力再生プラン優良事例表彰」選定委員会の工藤貴史委員長(東京海洋大学教授)が以下のとおり、コメントしました。 講評を述べる工藤委員長(写真中央)「今回、農林水産大臣賞を受賞した高浜地区は、漁協女性部などを中心とする低利用資源の付加価値化と6次産業施設による直販・レストラン事業の展開に取り組んでおり、地域資源を活用した海業的発展の先進優良地区として高く評価しました。水産庁長官賞の宍道湖流域はヤマトシジミの資源管理、増殖、漁場保全、品質改善、販売促進に取り組んでおり、大阪市地区は都市部に位置する強みを活かして都市住民や多様な関係者を巻き込みながら干潟造成、資源回復、消費拡大に取り組んでいます。これらの取り組みからは浜の活力がある地域では環境、資源、生産、販売、消費と総合的な取り組みを実施していることがわかります。 全漁連会長賞の父島は流通条件の不利、ハンディを克服するために魚箱の再利用システムを構築して出荷コストの低減を図ることなどに取り組み、佐伯地区ではICT機器を活用した赤潮調査の高度化や手動締め機の導入による魚価向上に取り組んでいます。これらの取り組みからは、地域の多様な関係者の連携によって新しい技術を導入して浜の課題を解決していることがわかります。 このほか、郷土料理を活かした加工品開発と生産者による加工・直接販売に取り組んだ宮崎県島野浦地区が農林中金理事長賞、若手漁業者グループがサーモン養殖事業に取り組んでいる秋田県八峰町地区が共水連会長賞、二枚貝類の資源管理とアオノリ養殖の活性化によって漁業経営の安定化を実現している三重県松阪が漁済連会長賞を受賞しています。 浜プランは、浜の構造改革です。浜の活力を再生するには、浜の主体性、望ましい将来像を描く力、そして協同の力が必要不可欠です。これからも全国の浜において浜プランがさらに発展していくことを期待しています」 * * * Sakanadia関連記事 ▶JFグループ向けの「海業」セミナーをオンライン開催 協同組合JF全漁連漁協(JF)漁師資源管理浜プランイベントJF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
2019年度食料自給率、食用魚介類は低下JF全漁連Sakanadia編集部です。 今回は、このほど農林水産省から発表された2019年度の「食料自給率」の概要などについて、ご紹介します。 ▼Sakanadia関連記事 2020年度食料自給率は2020.8.25JFレポートJF全漁連編集部
“漁業オタク”がおしえる、夏休みに読みたい「漁業」の本Sakanadia編集部です。 今日は、夏休みの読書におすすめの「漁業」関連の本をご紹介します。 コロナだし今年の夏はどこにもいかないわ~なんて方、読書で漁業の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。2020.8.4JFレポートJF全漁連編集部
JF全漁連とJTB、担い手不足解消のマッチング事業開始~ぜんぎょれん八戸食品でスタート~JF全漁連と旅行業界大手の株式会社JTBは、水産業の労働力確保に向けた連携を開始し、2022年4月からJF全漁連の子会社である「ぜんぎょれん八戸食品株式会社」(青森県八戸市)で具体的な取り組みをスター2022.4.28JFレポートJF全漁連編集部
JF共水連が『命の声』を創刊―災害の経験を未来に伝えるJFグループの共済事業を担う全国共済水産業協同組合連合会(JF共水連)は、JF共済創立70周年を記念し、災害や事故などの体験談を集めた『命の声』を創刊しました。JF関係機関へリーフレットを配布のほかJ2022.4.14JFレポートJF全漁連編集部
JF東日本信漁連が「JF水色の羽根定期貯金」の一部を漁船海難遺児育英会に寄付JF東日本信漁連は、海難事故などで親を亡くした子どもたちの成長を願い、励ますことを目的に、寄付金型定期貯金「JF水色の羽根定期貯金」の預入残高の一部を寄付金として公益財団法人漁船海難遺児育英会に寄付す2025.4.1JFレポートJF全漁連編集部
関係人口増加中!里海をまもる漁師と多様な組織の連携 ―シンポジウム「多様な主体の連携による里海保全」レポート―JF全漁連と全国内水面漁業協同組合連合会は2月22日、東京・一橋講堂を配信拠点としてシンポジウム「多様な主体の連携による里海保全」を開催し、「水産多面的機能発揮対策」 に取り組むグループの活動報告とデ2021.4.6JFレポートJF全漁連編集部