【コロナ対策】漁師の支援策まとめ―産直通販送料無料や休漁支援など

こんにちは。JF全漁連広報・Sakanadia編集部です。

漁協の全国団体であるJF全漁連は、これまで新型コロナウイルス感染症による漁業への影響を全国的にヒアリングし、必要な支援策を国に対して提案してきました。

その結果、様々な支援措置ができました。
今日は、国やJF全漁連が実施する「漁師の支援策」をまとめて紹介したいと思います。

※支援の内容によって、問合せ先が異なりますので、関連リンク等の説明をよく読みご対応ください。
※漁業者のみなさまは、地元の漁協にお問い合わせください。

支援の背景、漁業へのコロナの影響

その前に、漁師への支援策がつくられた背景について少し触れてみたいと思います。

漁業は、自営業や小規模企業経営者がほとんどですが、国民の食料を供給する役割を果たすため、当初休業要請等とそれに伴う措置がなされませんでした。

一方で、コロナ対策で首都圏などの消費地での外出自粛や飲食店の休業により、高級魚をはじめとする水産物の消費が落ち込んだり、輸出が減退したりと、様々な影響を受けてきました。
魚を捕ってきても売れない、買い取ってもらえないことから、自主的な休漁を余儀なくされた漁業者もいたと聞きます。
また、養殖業などは、出荷ができないことで、次の種苗を投入できず、来年以降の経営に直接影響が出てしまう事態も発生しているようです。

JF全漁連が5月に行った、全国のJFグループに対する調査では、全体的に魚の価格が約3割安くなっていたことが分かったそうです。中には例年よりも7割近く価格が下がった魚種もありました。
同時に行った全国抽出調査では、魚が売れないことで休漁を余儀なくされた漁業者が約30%いました。

JF全漁連はこのような実態を国に発信し続けた結果、国の令和2年度補正予算の中に、漁師や水産業関係者への支援が盛り込まれることになりました。

食料供給を止めないため、また地域経済を止めないためにも、ぜひ漁師さんや漁協さんには、活用できる支援策をどんどん活用し、今を乗り越えてほしいです。

※漁業者のみなさまは、地元の漁協にお問い合わせください。

漁師の支援策~水産関係補正予算、全漁連取組など~

【関連リンク】

水産関係補正予算概要▶水産庁ホームページ

JF全漁連送料無料産直通販サイト▶ギョギョいち

 

◆休漁等に対する支援【資源・漁場保全緊急支援事業】

休漁を余儀なくされた漁師たちが、漁場の耕うんや清掃、藻場保全など漁場を守るための活動、また資源調査などの資源管理のための活動に取り組む際に行われる支援です。

 

■経営維持のための金融支援【水産金融総合対策事業】

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた漁師に対し、運転資金の実質無利子化や保証料免除などの支援が集中的に行われます。

 

■経営体系の見直しに対する支援【経営継続補助金】

新型コロナウイルス感染症の影響を克服するため、漁師の経営の継続に向けた取り組みや感染拡大防止対策を行う場合の経費を支援します。

省力化機械の導入など生産・販売方式の転換に必要な経費(補助率3/4、上限100万円)の支援、業種別ガイドライン等に沿った消毒、換気設備等の感染防止対策(定額、上限50万円)など。

販売対策・通販全品送料無料化の支援【JFおさかなマルシェ ギョギョいち】

JF全漁連では、JFグループの産直通販サイト「ギョギョいち」で、全商品送料無料の取り組みを開始しました。

コロナ禍の影響で巣ごもり需要が増えている中、お家でもより手軽に産地の味を楽しんでいただけるよう、国とJF全漁連が無料分を負担します。

出品商品登録は随時募集しておりますので、漁師のみなさまは地元の漁協に、漁協のみなさまは地元の都道府県漁連にご相談してみてください。

産直通販サイト「ギョギョいち」はJF全漁連の初めての挑戦です。利用者のみなさまのご意見などを参考にし、より使いやすく日々改善を重ねています。おかげさまで、4月から6月にかけて売り上げが約10倍に伸びました。

出品する生産者とお客様をつなぐことができるサイトを目指しておりますので、ぜひご活用ください。

JFおさかなマルシェ ギョギョいち

※支援の内容によって、問合せ先が異なりますので、関連リンク等の説明をよく読みご対応ください。
※漁業者のみなさまは、地元の漁協にお問い合わせください。

  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

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