特集・3.11 【特集3.11】東日本大震災からの真の復興に向けて 2020.3.4 JF全漁連編集部 印刷する 被災地の今と展望を伝える東日本大震災の発生から9年。 津波等で大きな被害を受けた東日本沿岸域の漁業関係者は、試行錯誤をしながら復興に向けた取り組みを、日々、続けています。 漁港や市場、水揚げ施設などの復旧はほぼ終わったものの、環境の変化などさまざまな影響を受け、水揚げ量が減少し、他県産の水産物に移行した販路の回復に苦戦する姿もあります。 その一方、震災後は否応なしに漁村外との交流が生まれ、これまでにない新しい挑戦も始まっています。 本特集では、岩手、宮城、福島における漁業の復興状況を振り返るとともに、現状の課題、震災からの真の復興を目指す人たちの取り組みを紹介し、被災地だけでなく、日本漁業の将来を展望していきたいと思います。 もうすぐ迎える10年目を前に、震災以前から現場を見てきた研究者、漁業ライター、JF全漁連編集部が、被災地の漁業の今を全6回にわたりお届けします。 ▶第1回「陸前高田を巡る—人びとの祈り—」 文・写真:海と漁の体験研究所 大浦佳代 氏 ―古くから続く神事を引き継ぐ地域の子どもたち。大漁、海上安全を祈る信仰。海とともに生きる人たちの姿を、美しい写真とともにお伝えします。(3/4公開) ▶第2回「震災復興ともう一つの課題」 文:北海学園大学経済学部教授 濱田武士 氏 ―震災以前から、東北をフィールドとして研究を続けてきた濱田氏の寄稿。漁業は震災前から、変化する環境、社会、経済に対応してきた。漁場をうまく次世代に引き渡していくために、今こそ大切なこととは。(3/5公開) ▶第3回「外部との交流によるJFひろた湾とNPO法人SETの取組」 文・写真:海と漁の体験研究所 大浦佳代 氏 ―震災時のボランティアをきっかっけに浜の一員となった若者。JFと若者の連携が、「ゆるい担い手」を浜に呼び込み漁業就業のすそ野を広げた。(3/6公開) ▶第4回「復興をけん引し未来を開く みやぎ銀ざけ振興協議会のみやぎサーモン」 文:水産ライター 新美貴資 氏 漁業が地域の基幹産業である宮城県が、震災後、地域ブランド「みやぎサーモン」を確立。生産者、商社、資料メーカー、産地市場、行政が連携した取り組みが復興をけん引してきた。(3/9公開) ▶第5回「試験操業の現状と販路回復、浜の活性化に向けた取り組み」 文:福島大学農学類農業経営学コース准教授 林薫平 氏 ―震災翌年から始まった福島県の「試験操業」。福島県地域漁業復興協議会委員でもある林氏が、その始まりと苦節、これからの展望を語る。(3/10公開) ▶最終回「繋いだ販路、漁業者の生活—JF福島漁連の9年間—」 文・写真:JF全漁連編集部 ―JF福島漁連が魚を売る力をさらに強化し挑む販路の回復。震災直後の混とんとした状況から、JF、漁師の生活の基盤づくりを担ってきた総合事業体としての漁連の強さを伝える。(3/11公開) ※本特集は、JF全漁連季刊誌「漁協(くみあい)」174号に掲載されたものを転載しております。 “3.11だから”ではなく、日々向き合っている人たちがいること。前進できている人も、できない人もいること。変わったことも変わらないこともあること。この特集だけでは伝えきれない事実と思いが存在することを、知ってほしい。(JF全漁連編集部) 東北JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
【特集3.11】第2回「震災復興ともう一つの課題」寄稿:濱田武士東日本大震災の発生から9年が過ぎる。被災地を歩くと、大津波が残した爪痕もところどころで確認できるが、漁業インフラの復旧や集落移転などもほぼ完了しており、「復旧から復興へ」という言葉すら懐かしく思える段2020.3.5特集・3.11JF全漁連編集部
【特集3.11】第1回「陸前高田を巡る—人びとの祈り—」冬枯れの曇り空の下、躍動感いっぱいに黄色と赤の色彩が動いていく。東北の太平洋沿岸に伝わる「虎舞(とらまい)」だ。 獅子舞と同じように、お正月に家々を回り、災いをはらって福を呼び込む。 陸前高田市二日市2020.3.4特集・3.11大浦 佳代(おおうら かよ)
【特集3.11から10年】(まとめ)自然災害と漁業の持続性―今伝えるべき漁村のちから恵みをもたらすはずの海は、ときに私たちに猛威を振るう。 10年前、その現実を突きつけられた私たちは、その後も自然の怖さを目の当たりにしています。 3.11以降も、地震、爆弾低気圧や豪雨、台風など自然災2021.3.25特集・3.11JF全漁連編集部
職住一体の「まちづくり」(前編)—事前復興計画という考え方—漁村は⾃然と向き合いながら⽴地し、地形、⽣業、社会構造がダイレクトに呼応しながら⽬に⾒えるカタチで⼒強く存在する。 また、⾃然と⼈為の折り合いの中で、そこに住む⼈々の⻑い時間の営みの集積により創り出さ2021.3.8特集・3.11下田 元毅(しもだ もとき)
【特集3.11】第5回「試験操業の現状と販路回復、浜の活性化に向けた取り組み」寄稿:林 薫平もう9年前になるが、2011年3月の地震・津波と原発事故以後の福島県の沿岸漁業を取り巻く状況は極めて流動的で、手探りの時期が続いていた。 2012年に入り、福島県の漁業者・水産関係者を中心に「福島県地2020.3.10特集・3.11JF全漁連編集部
漁師中心のボランティア組織が人命を救う―海難事故における漁協と漁師が果たす役割―(徳島県・JF椿泊)国内で起きた海難事故の大部分は、漁師を中心とするボランティア組織の「水難救済会」によって救助される。この事実は一般的にあまり知られていない。 漁業・漁村の果たす役割の一つである「国民の生命・財産の保全2021.3.12特集・3.11JF全漁連編集部