JFレポート 2021年度食料自給率は前年度と比べ微増も低水準 2022.8.30 JF全漁連編集部 印刷する JF全漁連Sakanadia編集部です。 今夏、新型コロナウイルスの感染者数は各地で過去最多となり、新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの食生活や食料の需給に影響を与え続けています。 今回は、これらの状況を踏まえた上で、このほど農林水産省から発表された2021年度の「食料自給率」の概要についてご紹介します。 ▼Sakanadia関連記事 2020年度食料自給率は過去最低水準、新型コロナの影響か? 2019年度食料自給率、食用魚介類は低下 * * * 2021年度食料自給率カロリーベースは38%イメージ写真(出典:イラストAC https://www.ac-illust.com/)そもそも、「食料自給率※」とは、国ごとに食べている食料のうち、どのくらいがその国内で生産されているかという割合を示す指標のことです。 特定の品目について重量ベースで計算した「品目別自給率」と、食料全体について品目ごとに単位(カロリーベース及び生産額ベース)を揃えて計算した「総合食料自給率」の2種類があります。 ※食料自給率(農林水産省WEBサイト) 昭和40年度(1965年度)以降の食料自給率の推移(出典:農林水産省)日本の総合食料自給率(カロリーベース)※について見ていくと、1965年度は73%でしたが、2010年度には40%を下回り、先進国で最低水準となっています。 食料自給率が長期的に低下傾向にある要因については、日本人の食生活が大きく変化し、国内で自給可能なお米の消費が減少する一方、飼料や原料を海外に依存している肉類や油脂類の消費量が増加したことなどが大きく影響していると言われています。 ちなみに、最新の2021年度の総合食料自給率(カロリーベース)※は、国内生産が増えた小麦の自給率が上がったことや、米における外食需要が回復したことなどにより、38%と前年度より1ポイント高くなりましたが、依然として低水準にとどまっております。 ※日本の総合食料自給率(カロリーベース) ※2021年度の総合食料自給率(カロリーベース) 食用魚介類の2021年自給率は前年度を上回る59%イメージ写真(出典:Pixabay https://pixabay.com/ja/)2021年度の水産物の自給率※は、食用魚介類(重量ベース)が59%となり、前年度から2ポイント上昇。非食用を含む魚介類全体も2ポイント上昇の57%となりました。一方、海藻類は1ポイント下がり、69%となりました。 重量ベースの自給率は、【国内の生産量÷国内の消費仕向け量】で求められます。 自給率が上昇した要因について、国内生産量はサバ類やカツオなどが増加したことや、国内の消費仕向け量における輸出量が増加したこと、国内の消費仕向け量が前年度を下回ったことなどが挙げられます。 また、関連する魚介類の家庭内支出金額については、家計調査(2021年)※によると、1世帯当たりの年間の魚介類支出額は7万5,035円と前年から3%減少しましたが、コロナ禍での巣ごもり需要の影響もあり、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(7万3,862円)の水準は上回りました。 ※2021年度の水産物の自給率 ※家計調査(2021年) 日本では食料自給率を高めることが大きな課題イメージ写真(出典:Pixabay https://pixabay.com/ja/)日本は、農林水産物・加工品などの輸入額が輸出額よりも多いだけでなく、世界の食料需給の影響を受けやすいため、食料自給率を高めることが大きな課題になっています。 また、新型コロナウイルスとの闘いは続いており、これからも食生活や食料需給にさまざまな影響があるかもしれません。 JF全漁連をはじめとするJFグループでは、「国民への国産水産物の安定供給」という使命を全うするため、今後もおいしい国産水産物を多くの皆さまに食べていただけるよう、水産物の販路や価格回復、水産物の消費拡大の取り組みなどを行ってまいります。 是非、皆さまも引き続き国産水産物をご賞味ください。 ▶JFグループによる消費拡大等の取り組みはこちら プライドフィッシュプロジェクト 産直通販サイト「JFおさかなマルシェ ギョギョいち」 JF全漁連JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
「JFシェルナース」によるクエの集魚効果レポート ―JF長崎漁連の取り組み―このコラムは、長崎県漁業協同組合連合会(JF長崎漁連)の広報誌『漁連だより』に掲載された、貝殻魚礁「JFシェルナース」設置によるクエの集魚効果についてのレポートです。 ― JFシェルナースとは ― 環2023.6.19JFレポート全国の漁連・漁協
中止相次ぎレポート記事激減―こんな時は魚を食べて!漁師がつくる漁協(漁業協同組合、愛称はJF“じぇいえふ”といいます)の全国連合会であるJF全漁連は、日本の漁師さんたちの漁業経営をサポートするために、さまざまな活動を行っています。 3月は年度の終わり2020.3.17JFレポートJF全漁連編集部
長崎県漁青連の「煮干しの水族館」は今年も大人気! 第40回長崎さかな祭りこの情報は、長崎県漁業協同組合連合会(JF長崎漁連)からの提供です。 * * * 第40回長崎さかな祭り(主催:長崎さかな祭り運営協議会/一般社団法人 長崎魚市場協会)が10月15日に長崎2023.11.15JFレポート全国の漁連・漁協
「サンマ長期漁海況予報」が発表—今シーズンの行方は?秋の味覚を代表するサンマのシーズンがいよいよやって来ます。 サンマは一年中、店先に並ぶ魚と違い、大衆魚の中でも数少ない旬を感じさせてくれる魚。 このシーズンの到来を待ちわびている人は多いはずです。 た2020.8.5JFレポートJF全漁連編集部
【特集 特別座談会】「SDGsから未来の海を考える」後編2/2この情報は、北海道漁業協同組合連合会(JF北海道ぎょれん)からの提供です。 前後編を、それぞれ2回にわたって公開します。 以下、後編2/2回目をお届けします。 * * * <出席者> さか2023.1.18JFレポート特集全国の漁連・漁協