2021年度食料自給率は前年度と比べ微増も低水準

JF全漁連Sakanadia編集部です。
今夏、新型コロナウイルスの感染者数は各地で過去最多となり、新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの食生活や食料の需給に影響を与え続けています。
今回は、これらの状況を踏まえた上で、このほど農林水産省から発表された2021年度の「食料自給率」の概要についてご紹介します。

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2021年度食料自給率カロリーベースは38%

イメージ写真(出典:イラストAC https://www.ac-illust.com/)

そもそも、「食料自給率※」とは、国ごとに食べている食料のうち、どのくらいがその国内で生産されているかという割合を示す指標のことです。
特定の品目について重量ベースで計算した「品目別自給率」と、食料全体について品目ごとに単位(カロリーベース及び生産額ベース)を揃えて計算した「総合食料自給率」の2種類があります。

食料自給率(農林水産省WEBサイト)

昭和40年度(1965年度)以降の食料自給率の推移(出典:農林水産省)

日本の総合食料自給率(カロリーベース)※について見ていくと、1965年度は73%でしたが、2010年度には40%を下回り、先進国で最低水準となっています。
食料自給率が長期的に低下傾向にある要因については、日本人の食生活が大きく変化し、国内で自給可能なお米の消費が減少する一方、飼料や原料を海外に依存している肉類や油脂類の消費量が増加したことなどが大きく影響していると言われています。
ちなみに、最新の2021年度の総合食料自給率(カロリーベース)※は、国内生産が増えた小麦の自給率が上がったことや、米における外食需要が回復したことなどにより、38%と前年度より1ポイント高くなりましたが、依然として低水準にとどまっております。

日本の総合食料自給率(カロリーベース)
2021年度の総合食料自給率(カロリーベース)

食用魚介類の2021年自給率は前年度を上回る59%

イメージ写真(出典:Pixabay https://pixabay.com/ja/)

2021年度の水産物の自給率※は、食用魚介類(重量ベース)が59%となり、前年度から2ポイント上昇。非食用を含む魚介類全体も2ポイント上昇の57%となりました。一方、海藻類は1ポイント下がり、69%となりました。
重量ベースの自給率は、【国内の生産量÷国内の消費仕向け量】で求められます。
自給率が上昇した要因について、国内生産量はサバ類やカツオなどが増加したことや、国内の消費仕向け量における輸出量が増加したこと、国内の消費仕向け量が前年度を下回ったことなどが挙げられます。
また、関連する魚介類の家庭内支出金額については、家計調査(2021年)※によると、1世帯当たりの年間の魚介類支出額は7万5,035円と前年から3%減少しましたが、コロナ禍での巣ごもり需要の影響もあり、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(7万3,862円)の水準は上回りました。

2021年度の水産物の自給率
家計調査(2021年)

日本では食料自給率を高めることが大きな課題

イメージ写真(出典:Pixabay https://pixabay.com/ja/)

日本は、農林水産物・加工品などの輸入額が輸出額よりも多いだけでなく、世界の食料需給の影響を受けやすいため、食料自給率を高めることが大きな課題になっています。
また、新型コロナウイルスとの闘いは続いており、これからも食生活や食料需給にさまざまな影響があるかもしれません。
JF全漁連をはじめとするJFグループでは、「国民への国産水産物の安定供給」という使命を全うするため、今後もおいしい国産水産物を多くの皆さまに食べていただけるよう、水産物の販路や価格回復、水産物の消費拡大の取り組みなどを行ってまいります。
是非、皆さまも引き続き国産水産物をご賞味ください。

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  • JF全漁連編集部

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