食育 【発酵子育てキッチン】ハマる! 煮干し(いりこ)の解剖♪ 2021.11.18 高木 佐知子(たかぎ さちこ) 印刷する えーっ!解剖!? はい、料理の出汁に使っても、そのまま食べてもおいしいあの「煮干し(いりこ)」。この丸ごと食べられる小魚は「カタクチイワシ」を煮て干した水産加工品です。 煮干しは、小さくても実は立派な“丸魚”ですよね!いつも何気なく頭と内臓を取って出汁に使っていますが、ふと、魚の体について調べてみたら面白そう!と思い立ち、「解剖」というと大げさですが子どもと観察してみることにしました。 ※ちなみに、「煮干し」と「いりこ」は同じもので、地域によって呼び名が異なります。この記事では「煮干し」とします。 さっそく観察してみよう!<用意するもの> ・煮干し 10尾ほど ・虫めがね ・ピンセット(つまようじ) ・白い紙 煮干しは手でも簡単に分解できるので、特別な道具はいりませんが、小さな部位を取り出すのに「ピンセット」が便利でした。つまようじでもいいかも?「虫めがね」があると、ちょっと拡大して観察できます。白い紙の上で分解すると、パーツがよく見えて後片付けも簡単です。 【煮干しの解剖手順】 ①いつも使っている煮干しの袋から、大きめで割れていない、なるべく傷の少ない煮干しを10尾ほど取り出す。 ②まず、外側全体を観察してみよう♪ 鰭(ヒレ)は5種類見つけられるかな?キラキラした鱗(ウロコ)もあったよ。 ③頭を外し、頭と胴体に分ける。 ④頭を2つに分けて、中を観察してみよう♪ 小さいけど、当然ながら「脳」もある! 「さいは」って私たち人間の歯のようなものかな?「カタクチイワシ」はプランクトンなどの小さな生きものを海水ごと飲み込む。小さなエサがここに引っかかるんだね。 ⑤胴体も2つに分けて、内臓などを取り出して観察しよう♪ 胴体を開いてみると、おなかの中の見え方は個体それぞれで多彩! ⑥観察が終わったら、内臓を取り出した頭や胴体は、残さずおいしく食べよう! 子どもも大人も楽しめる最初は「えー、煮干しの解剖?」と面倒そうにしていた娘も、分解して観察するうちに「楽しい~!もっとやる~!」と次から次へと分解して、ピンセットで脳や内臓などを取り出してもくもくと観察して楽しんでいました。 出汁取りの時は、「内臓取って」とひと塊にしか見えなかった内臓も調べてみるといろいろな臓器が!特に三角の形をした小さな「心臓」や、まるで小さいカラスミのような「卵巣」には感動しました。大人も楽しめます。 魚や生物の専門家ではない私は、観察の際には本を参考にしました。詳しく調べたい方はぜひ活用してくださいね。 参考図書: 『煮干しの解剖教室』小林眞理子著・仮説社 『イワシの話』平本紀久雄著・らくだ出版 『おしえて!さかなクン②』さかなクン著・角川つばさ文庫 本を開くと、ここで紹介しきれなかった部位やその働き、生態などについても調べることができるのでおすすめです。 解剖が終わったら、おいしく食べよう!さて、この解剖で大切なのは手順の⑥番。観察が終わった煮干しをおいしく食べること! 一番お手軽なのは、オーブントースターで数分焼いて、パリッと食べるおやつ。マヨネーズと七味をつけたり、山椒を振ってもいいですよ〜。 あ、いけない。お酒が好きなのでついツマミっぽいものを考えてしまいます(笑) いつもの味噌汁のお出汁にも使ってくださいね。 小さくても、目玉や脳、心臓や背骨など…私たち人間と同じ生きものなんだと実感させられます。海からやってきてくれた小さな命に感謝して、残さずいただきましょう。 日々のおいしい暮らしを発信中 Cozy Kitchen~醸す台所~ Instagram Facebook レシピ食育発酵高木 佐知子(たかぎ さちこ)Cozy Kitchen代表。糀マイスター、みそソムリエ。 「発酵子育てキッチン」連載がスタート! 2019年11月~2020年11月まで、「糀で時短レシピ」を連載。糀の力を活用した、簡単だけどおいしくてヘルシーなレシピを紹介してきました。 2020年12月からは、「発酵子育てキッチン」と題し、リアルな子育て・食育奮闘記の連載がスタートしました。 【現役ワーママの食育事情―「発酵子育てキッチン」連載にあたり】 年の差三姉妹(15歳・7歳・5歳)の子育てと通勤生活に奔走する中、“糀でおいしく健康&毎日無理ない炊事”をテーマに日々料理研究している高木です。 子育てと通勤をこなす日々は本当に忙しいです! 高木家では、毎日の炊事は時短が基本だけどときどき子どもたちと“キッチンに立つ”時間を大切にしています。 料理を任せたときの、子どもの真剣な眼差し。これがたまらなくいいのです。そしてできた!時のキラキラした笑顔。きっと子どもの力になると信じています。 「食べること」=「生きる力」。 「食育」という言葉が定着して久しいけれど、食の基本は家で育むものと思います。 とはいえ、私もドタバタ子育て真っ最中で自信なんて全くありません! 時間の余裕のなさに、家族にイライラをぶつけてしまって反省することもよくあること。 何が正しいかなんてわからないけど、“台所仕事は楽しい”を共有できたらきっといい時間になるし、子どもの生きる力につながるはず…と。 平日は忙しくとも、ゆっくりできる週末に家族で農業体験をしたり、季節の発酵食品づくりをしたり、魚を丸ごと捌いたり・・・・・・。 そして時には食育失敗談も…!?高木家のリアルな“発酵子育てキッチン”をお伝えできたら…と思います。 ——“発酵”を待つように、成長をあせらず見守りたいな。親も子も一緒にのびのび発酵♪ 【略歴】 旬の魚とお酒に目がないワーキングマザー。日本さかな検定2級。 千葉県生まれ。農家の祖父母のもとに育ち、幼少より発酵食品に親しむ。現在は子育てと仕事に奔走する傍ら、料理研究する日々。自家製発酵食品を活用して、忙しくても無理なく続けられる“台所仕事”とお気楽“食養生”を、身をもって実行している。 活動実績は、発酵料理講師、飲食店の糀メニュー監修・レシピ開発、メディア取材協力、第2回フレッシュミズ部会講師、プライドフィッシュを使った料理教室など。流山市在住。 Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook:https://www.facebook.com/cozykitchen.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/cozykitchen_jp/このライターの記事をもっと読む
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