【発酵子育てキッチン】みそ汁大好き! 自家製My味噌で、6歳娘と一緒に作る豚汁

自家製味噌と豚汁

今年の冬はとても寒かったですね~。
しかし、桜も花開き、本格的な春はすぐそこ!仕事帰りの空も明るくなってきて、気持ちも軽くなります。
わが家では、2月中に今期の自家製味噌の仕込みを終えました。私は味噌作りの講師もしているのですが、今年は地元で味噌作り講座を2回開催できてほっとしているところです。
新型コロナウイルス感染状況が心配な時期にもかかわらず、味噌作り講座は例年以上に人気でした。食で健康を整えたいという方が増え、年々発酵食品や日本の伝統食品への関心が高まっている気がします。

さて、昨年うちの姉妹が仕込んだ自家製My味噌※ができあがりましたよ~。

※昨年仕込んだ自家製My味噌
Sakanadia記事「【発酵子育てキッチン】親子で味噌づくりのススメ」

2021年3月に仕込んだ自家製My味噌

わが家では、6歳の三女が大の味噌汁好き!毎食必ずおかわりするほどです。
「このお味噌でみそ汁をつくりたいな~!」「お野菜を切りたい!」と三女。
ならばと、みんな大好き! 根菜がたっぷり入った豚汁をつくることにしました。

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自家製My味噌で豚汁を作ろう♪

まず、材料を揃えます。

豚汁に入れる野菜は、冷蔵庫にあるもの何でもいいと思いますが、やはり大根・人参・ごぼう・芋類といった根菜は定番でおいしい。今回使った材料は7種類!
豚肉・大根・人参・ごぼう・里芋・長ネギ・こんにゃくです。

まずはこんにゃくを切って、アク抜き。

包丁を握る子どもの横顔。この真剣な眼差しがたまらなくいいのです。
ツルンと滑るけど大丈夫かな~。しっかりそばについて見守ります。

お鍋に水とこんにゃくを入れて火にかけて、アク抜きをする間にお次は人参。
ヘタを落とすと……。

「わあ~!きれいな模様! 穴がちょっと気持ち悪い……」だそうです(笑)
切り口を観察するだけで新鮮な驚きがあります。

「人参はかたいね、でも楽しい~」とトントン。
思い切りのいい三女はどんどんスピードアップ。ハラハラします(汗)

でも、「早すぎてお母さんみたいになっちゃった~」なんておどける姿がかわいい♪

お肉にも挑戦!

スッと刃を入れないと切れないよ~。食材によって包丁の動かし方が違うことも学びます。

その後もよだれをたらすほど(笑)夢中で大根などを切っていましたが……、「疲れちゃったよ……」と座り込んでしまいました。

うんうん、頑張ったね。お野菜たくさんあるものね! あとはママが切るよ。

下ごしらえ完了!

「さあ、お野菜炒めるよ~!」と声をかけると、私が残りの野菜を切っている間に一休みした娘は「やるやる~!」と元気に復活。

しっかり押さないとガスだけが出て危ないよ。

慣れない点火も練習です。

お野菜たっぷりだから、混ぜるのも大変だね。でも「大丈夫!」と得意顔です。

お鍋が熱くなってきて、ジュウジュウと野菜の水分と油の混ざる音。香り立つお肉とごぼうの匂い。野菜に火が通ると透明感が出てくる。お料理は、「五感」をフル活用した経験なのです。

さて、お水を入れて、アクを取りながら煮込んだら、いよいよ自家製My味噌の投入です♪
「どれどれ~?味見させて~」と2つ上のお姉ちゃん。
「ダメ~私のだよ!」ひとり占めしたくなるほど、愛着のあるMy味噌だね。

姉妹ゲンカはすぐおしまいで、味噌にもニコニコマーク。

こういうこと思いつくのは、子供らしくて最高!

お味噌を溶いたらお楽しみの……
お味見タイム♪
「おいしい!」でもちょっと薄いかな、もうちょっとお味噌を足そうか。

味見だって、味覚の練習です。大切なこと。

「全部私がやるよ!」と家族5人分の豚汁をお椀によそいます。
「できたよ~!」パチパチ。よく頑張ったね。さあ召し上がれ!

「おいし~い!!!」
慣れないお料理をして、疲れたね。
でも、楽しかったね!達成感いっぱいだね!
自分でやり遂げた時のキラキラした気持ちは、きっと子どもの力になると信じています。
家族みんな大好きな豚汁。お鍋にたっぷり作ったけど、あっという間に無くなりました。
お肉だけじゃなくて、サケを入れた石狩汁やブリ汁などお魚と野菜の味噌汁も好きです。

味噌はそのまま野菜やごはんにつけてもおいしいけど、味噌汁にした時の、出汁や具の旨味が溶け込んだ味わいが素晴らしいですよね!

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次世代へ繋ぎたい味噌文化

サワラのあら汁

約1300年前(奈良時代)には味噌の原型となる調味料があり、室町時代からは庶民のあいだでも味噌汁が飲まれるようになったそうです。
時代が変わっても、長年飽きることなく飲み継がれてきた味噌汁ってすごいですよね。

「医者に金を払うよりも味噌屋に払え」
「味噌汁は朝の毒消し」
「味噌汁一杯三里の力」

など、味噌の健康効果を謳ったことわざはたくさんあります。味噌は美味しいだけでなく、私たちの健康を整えてくれることを昔の人は知っていたのですね!

ご飯と味噌汁は和食の基本です。幼少期の味覚が生涯の嗜好に大きな影響を与えるそうです。
大げさかもしれませんが、味噌汁好きに育ってくれたわが子の食育は、もう半分成功したものと思っています。
もし、お子さんがあまり味噌汁を飲んでくれないという場合は、自家製味噌が難しくても、市販のちょっといいお味噌で味噌汁を作ってみてください。
時間に余裕がある時は、出汁をしっかり取るとそのおいしさに感動するはずです。
すぐに好きにならなかったとしても心配しないで。
“発酵”をじっくりと待つように、味覚も成長もあせらず見守りましょう。

“味噌汁のある食卓”が次世代へと繋がりますように。

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【Sakanadia編集部より】
糀マイスター・みそソムリエ・水産女子とさまざまにご活躍されている高木佐知子さんの「発酵子育てキッチン」の連載は今月が最終回となります。
高木佐知子さんのお子さんに向ける優しさがあふれた温かい文章やお魚料理への新しい視点、主人公!?のお子さん達の可愛いらしい様子がとても魅力的でした。引き続き、これまでにSakanadiaに掲載しました「糀で時短レシピ」と「発酵子育てキッチン」のレシピやコラムをみなさまの食卓でご活用いただければ幸いです。
高木さんにはぜひ今後も、JF全漁連と一緒に魚食の魅力を発信していただきたいと思います。新たなコラムの情報や関連イベントなどはSakanadiaでご紹介してまいります。
ご愛読ありがとうございました。

Sakanadia編集部

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  • 高木 佐知子(たかぎ さちこ)

    Cozy Kitchen代表。糀マイスター、みそソムリエ。 「発酵子育てキッチン」連載がスタート! 2019年11月~2020年11月まで、「糀で時短レシピ」を連載。糀の力を活用した、簡単だけどおいしくてヘルシーなレシピを紹介してきました。 2020年12月からは、「発酵子育てキッチン」と題し、リアルな子育て・食育奮闘記の連載がスタートしました。   【現役ワーママの食育事情―「発酵子育てキッチン」連載にあたり】 年の差三姉妹(15歳・7歳・5歳)の子育てと通勤生活に奔走する中、“糀でおいしく健康&毎日無理ない炊事”をテーマに日々料理研究している高木です。   子育てと通勤をこなす日々は本当に忙しいです! 高木家では、毎日の炊事は時短が基本だけどときどき子どもたちと“キッチンに立つ”時間を大切にしています。   料理を任せたときの、子どもの真剣な眼差し。これがたまらなくいいのです。そしてできた!時のキラキラした笑顔。きっと子どもの力になると信じています。   「食べること」=「生きる力」。 「食育」という言葉が定着して久しいけれど、食の基本は家で育むものと思います。   とはいえ、私もドタバタ子育て真っ最中で自信なんて全くありません! 時間の余裕のなさに、家族にイライラをぶつけてしまって反省することもよくあること。   何が正しいかなんてわからないけど、“台所仕事は楽しい”を共有できたらきっといい時間になるし、子どもの生きる力につながるはず…と。   平日は忙しくとも、ゆっくりできる週末に家族で農業体験をしたり、季節の発酵食品づくりをしたり、魚を丸ごと捌いたり・・・・・・。 そして時には食育失敗談も…!?高木家のリアルな“発酵子育てキッチン”をお伝えできたら…と思います。   ——“発酵”を待つように、成長をあせらず見守りたいな。親も子も一緒にのびのび発酵♪   【略歴】 旬の魚とお酒に目がないワーキングマザー。日本さかな検定2級。 千葉県生まれ。農家の祖父母のもとに育ち、幼少より発酵食品に親しむ。現在は子育てと仕事に奔走する傍ら、料理研究する日々。自家製発酵食品を活用して、忙しくても無理なく続けられる“台所仕事”とお気楽“食養生”を、身をもって実行している。 活動実績は、発酵料理講師、飲食店の糀メニュー監修・レシピ開発、メディア取材協力、第2回フレッシュミズ部会講師、プライドフィッシュを使った料理教室など。流山市在住。   Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook:https://www.facebook.com/cozykitchen.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/cozykitchen_jp/

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