JFレポート 水産多面的機能に関するシンポジウムを開催 2024.2.14 JF全漁連編集部 印刷する 水産庁主催のシンポジウム「里海保全の最前線」が1月27日、東京大学安田講堂で開催されました(主管:JF全漁連、全国内水面漁業協同組合連合会、全国豊かな海づくり推進協会)。 このシンポジウムは、全国各地の海辺や川辺で環境保全活動などの「水産多面的機能発揮対策」に取り組む漁師や市民を中心としたグループが、これまでの活動の成果や課題について報告などを行うもの。 今回もオンラインと併用で開催され、活動報告や専門家の講演を聞くために、多くの関係者が聴講しました。 ※「水産業の多面的機能」とは、「美味しく新鮮な魚を安定的に皆さんに提供する」以外の「水産業がもたらす良い影響」のこと。 漁師や漁協は、海難救助や海浜清掃、藻場や干潟を守り海の環境を保全する活動などを行っており、住民や企業などと連携した活動に発展にしている地域もあります。 ▶水産業の多面的機能とは? 基調講演は「魚はなぜ減った?~この80年間に起こったこと~」がテーマ基調講演では、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の山室真澄氏が、魚の生息環境の変化をとらえるためのモニタリング実施の重要性などについて講演しました。 東京大学大学院新領域創成科学研究科の山室真澄教授5つのグループが活動報告活動報告では、全国各地で藻場・干潟、サンゴ礁の環境保全、国境監視などに取り組んでいる活動組織の中から先進的、効果的な取り組みを行っている5つのグループが活動内容を報告しました。 【海の監視ネットワーク強化】 「海の監視ネットワーク強化の取り組み」柏原地区保全活動組織(福岡県芦屋町) 【藻場の保全】 「長崎市の藻場の保全活動について」長崎市水産農林部水産振興課(長崎県長崎市)、中嶋泰氏(水産多面的機能発揮対策事業サポート専門家) 【内水面生態系の保全】 「笑顔あふれる鏡川を次世代に」鏡川環境保全の会(高知県高知市) 【干潟等の保全】 「八代海のアサリ資源を守り、干潟の生産力を高める」二見海岸の干潟を守る会(熊本県八代市) 【サンゴ礁の保全】 「サンゴを守り、生物多様な豊かな海を守る」日南海岸サンゴ群集保全協議会(宮崎県日南市) ▶発表詳細はシンポジウム資料でご覧いただけます。 活動報告の発表者とコメンテーターらが意見交換最後に東京大学大学院農学生命科学研究科教授の八木信行氏がコーディネーターとなり、ディスカッションを行いました。参加者からの質問に回答したほか、5人のコメンテーターと活動報告を行った発表者が意見交換しました。 <ディスカッション> ■コーディネーター 八木信行氏(東京大学大学院農学生命科学研究科国際水産学研究室 教授) ■コメンテーター 鹿熊信一郎 氏(佐賀大学海洋エネルギー研究所 特任教授) 桑原久実 氏(元 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 企画調整部門 研究主幹) 崎長威志 氏(広島県内水面漁業協同組合連合会 参与) 玉置泰司 氏(元 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 中央水産研究所 経営経済研究センター長) 藤田大介 氏(東京海洋大学大学院 准教授) ▶水産多面的機能発揮対策情報はこちら JF全漁連漁協(JF)SDGs漁師資源管理イベントJF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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