JFレポート 東大安田講堂でシンポジウム「里海保全の最前線」開催 2023.3.28 JF全漁連編集部 印刷する JF全漁連と全国内水面漁業協同組合連合会、全国豊かな海づくり推進協会は2月11日、東京大学安田講堂でシンポジウム「里海保全の最前線」を開催しました。 このシンポジウムは、全国各地の海辺や川辺で環境保全活動などの「水産多面的機能発揮対策」に取り組む漁師や市民を中心としたグループが、これまでの活動の成果や課題について報告などを行うもの。 今回も新型コロナウイルス感染対策のため、会場参加人数を制限してオンラインと併用開催となりましたが、活動報告や専門家の講演を聞くために、多くの関係者が聴講しました。 ※「水産業の多面的機能」とは、「美味しく新鮮な魚を安定的に皆さんに提供する」以外の「水産業がもたらす良い影響」のこと。 漁師や漁協は、海難救助や海浜清掃、藻場や干潟を守り海の環境を保全する活動などを行っており、住民や企業などと連携した活動に発展にしている地域もあります。 ▶水産業の多面的機能とは? https://sakanadia.jp/gyogyou/word_tamentekikinou/ 基調講演は「脱炭素社会に向けたブルーカーボンの役割と今後の展開」がテーマ基調講演では、国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産資源研究所 水産資源研究センター 社会・生態系システム部 沿岸生態系グループ長の堀正和氏が、脱炭素社会に向けたブルーカーボンの役割と今後の展開について講演しました。 堀氏は、国内外のブルーカーボンに関連した動きについて、「海産物は食料生産によるCO2排出が陸上よりかなり少ないため、世界中で大規模な海藻養殖が始まっている」と紹介。また、藻場と陸上植物のCO2吸収量を比較した結果について、「藻場は森林と同等。アマモは広葉樹やスギの人工林よりも高い。海藻養殖でも天然の藻場と遜色がない」と報告しました。その上で、今後について、CO2吸収源としての藻場を維持・拡大することや、海藻養殖のための技術開発の必要性を指摘しました。 5つのグループが活動報告活動報告では、全国各地で藻場・干潟、サンゴ礁の環境保全、国境監視などに取り組んでいる活動組織の中から先進的、効果的な取り組みを行っている5つのグループが活動内容を報告しました。 【内水面生態系の保全】 「市民・学生の協働で守る盛川の生態系」盛川の環境を守る会(岩手県大船渡市) 【国境・水域の監視、海の監視ネットワーク強化】 「奥尻の海の安全と環境を見守って」奥尻地区海の監視活動組織(北海道奥尻町) 【藻場の保全】 「葉山町の多様な主体が連携した海の森づくり活動」葉山アマモ協議会(神奈川県葉山町) 【干潟等の保全】 「干潟の保全活動報告」美浜町漁場環境保全会(愛知県美浜町) 【サンゴ礁の保全】 「サンゴ礁の里海づくり」恩納村美ら海を育む会(沖縄県恩納村) ▶発表詳細はシンポジウム資料でご覧いただけます。 https://hitoumi.jp/event/R4symposium_text-final.pdf ディスカッション—あるものに目を向けて積極的な出会いを最後に東京大学大学院農学生命科学研究科教授の八木信行氏がコーディネーターとなり、ディスカッションを行いました。参加者からの質問に回答したほか、6人のコメンテーターと活動報告を行った発表者が意見交換しました。 <ディスカッション> ■コーディネーター 八木 信行氏(東京大学大学院農学生命科学研究科国際水産学研究室 教授) ■コメンテーター 鹿熊 信一郎 氏(佐賀大学海洋エネルギー研究所 特任教授) 桑原 久実 氏 (元 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 企画調整部門 研究主幹) 崎長 威志 氏 (広島県内水面漁業協同組合連合会 参与) 玉置 泰司 氏 (元 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 中央水産研究所 経営経済研究センター長) 藤田 大介 氏 (東京海洋大学大学院 准教授) 堀正和氏(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産資源研究所 水産資源研究センター 社会・生態系システム部 沿岸生態系グループ長) ▶水産多面的機能発揮対策情報はこちら 専用サイト「ひとうみ.jp」 JF全漁連イベントJF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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