コロナ禍、JF全漁連はなにしてる?漁師への支援策は?

久々の出勤、変わる職場

都内に事務所(本所)があるJF全漁連は、新型コロナウイルス感染拡大の早い段階からテレワーク、在宅勤務を導入し、出勤人数を削減しています。

Sakanadia編集部員である広報担当者もシフト制で出勤日数を調整し、筆者は週1~2日の出勤になってます。

今日は実に10日ぶりの出勤。やっぱり在宅ワークだと、ほかの部署の動きがタイムリーにとらえられず、日々状況が変わっている今、JF全漁連がどんな対応をしているのかなかなか見えにくい。

正直「知らない」=「何もやっていない」と感じてしまう。。。ということで、今JF全漁連にどんな動きがあるかリサーチしてみました。

スピード進化“テレワーク”

まずは職員の働き方から。

JF全漁連は、感染拡大初期からテレワーク、時差出勤を導入していましたが、正直導入当初は環境整備が間に合わず、「在宅にしてもできることがないじゃん…」というのが本音でした。

ところが、緊急事態宣言が出て、本格的に出勤人数を減らさなければならないとなった4月初め、ルーターの配布が開始。

アナログなイメージのわが職場なりに「すごい!こんなことができちゃうのね!」ということが判明した出来事でした(笑)

会議もオンラインで

JF全漁連は、漁師がつくる漁協(以下JF“じぇいえふ”)の全国団体であるため、一緒に働く仲間が全国にいます。

そのため、普段は全国各地から関係者が来会しますが、今はそれもかなわず。

それでも、漁師やJFの経営をサポートするための業務を止めるわけにはいかない!といことで、これまでも一部の部署で導入していたオンラインミーティングを他の部署でも活用するなどの動きが出てきています。これも、うちにしてはすごい動き(笑)

漁師の生活のために何をしている?

さて、ようやく本題。

こんなときでも、いやこんなときこそ、JF全漁連は全国団体として、漁師やJF(漁協)グループが今後も生産活動などを続けていけるように、「浜」と「国」を繋ぐ活動を続けています。

日本の沿岸漁師のほとんどが中小の自営業者であるため、すでに課題は山積。

外出・外食の自粛が全国的に行われる今、食や地域観光に関わる漁業は、魚価への影響や浜の食堂・道の駅の運営など、不安が絶えません。それに対して、漁師さん、JF、浜ごとに様々な取り組みをされているのを、SNSなどで拝見しています。

地域によって課題は異なりますが、JF全漁連が全国団体として今できることの一つが、そういった浜の状況と国の政策の温度差を縮めること。漁師がちゃんと使える支援策を国に提案すること。

そのような仕事を行っている漁政部(ぎょせいぶ)という部署の田中要範(たなか としのり)部長にインタビューしてみました。

応援したい!食料生産を担う漁師たち

田中要範 漁政部長、鹿児島県出身、父は元漁師です

浜の状況を国に伝えるためにまず何をやったんですか?

—浜から相談の声が上がり始めた2月下旬に対策会議を開催しました。
その後すぐ3月の初めに、都道府県漁連(漁協の県単位の連合会)を通して各地域の状況調査をおこないました。まずはその情報を自民党内の水産業の政策を検討する会議でプレゼンし、窮状を分かってもらうことから始めました。
4月1日には、JF全漁連内に正式に対策本部を立ち上げました。

漁師の経営を支援する仕組みはできたんですか?

—できました。
まず、テレビや新聞で報道されているような、中小事業者を支援する「雇用調整助成金」や「給付金」は、漁業経営者も対象になります。
また、外国人技能実習生が入国できないことで、人手不足に困っている漁業・加工業者には人材確保の支援もあります。
そのほか、需要停滞で販路が定まっていない水産物を買い取ったり、保管したりするための支援も行われることになりました。

このような支援策はすべて国の補正予算案に組み込まれました。この予算が成立したら、すぐに事業が推進できるように、使える仕組みになるよう今も声を届け続けています。

これからも多くの声を寄せてほしい!

田中部長は、「これまでは、全国さまざまな地域の実情を聴いたうえで、とにかく早い対応をすることを目指してきた」と言います。

一方で、急ぎつくった現状の仕組みが現場にちゃんとマッチしているかは、まだわからない部分もあるそうです。「今後も日々変化する状況に注視しながら、必要に応じて次々と手を打っていかなければならない」と話します。

「これからもできるだけ、多くの浜の声を寄せてほしい」とのことです。

広報では?

久々に出勤した職場では、どんどん対応が進んでいました。

Sakanadia、そしてJF全漁連広報でも、このような対応、また浜の前向きな取り組みを発信し続けていきたいと思います。

読者の皆さんが楽しめる新しい企画や、漁師のみなさんの情報発信をお手伝いする企画も検討中ですので、引き続きチェックしていただけたら嬉しいです♪

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  • JF全漁連編集部

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