愛知県の中学生が漁業を体験! 「海とお魚漁業体験教室」レポート

この情報は、愛知県漁業協同組合連合会(JF愛知漁連)の広報誌「あいちの水産」No.383からの転載です。

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愛知県水産試験場では、JF愛知漁連や愛知県水産業振興基金などの協賛を得て、毎年県内漁業地区等の中学生を対象に漁業体験を通して水産業と海に関する知識や技術の学習を行うことにより、水産業に対する関心を深めてもらい、漁業の担い手を育てることを目的として「海とお魚漁業体験教室(少年少女水産教室)」を開催しています。

本年度は昨年度に引き続き感染拡大防止対策を徹底(人数制限、マスクの着用、検温、手指の消毒等)したうえで、7月26日(火)に蒲郡市三谷町にある水産試験場本場において開催しました。

「ノリすき体験」、「ロープ結び体験」、「耳石とり体験」、「VR(ヴァーチャルリアリティ)ゴーグルによる漁業体験」、「愛知県の水産業についての講義」を盛り込んだ密度の濃いものとしました。

以下に、当日の様子を簡単に紹介します。

ノリすき体験

愛知県水産試験場で冷凍保存しておいた黒ノリを用いて「ノリすき」を体験してもらいました。

生徒はミンチ~すき~天日干しまでを昔ながらの手作業で行いました。最初は、穴が開いたり、厚みにムラがあったりするのりになってしまいましたが、何枚か挑戦するうちに上手にすくことができるようになりました。

ロープ結び体験

日常生活でも役に立つ、巻き結び、一重つぎ、もやい結びの3種類に挑戦しました。

どの結び方も初めて体験する生徒ばかりで、悪戦苦闘する様子がみられましたが、漁業士や試験場職員の指導の下、最終的には全員が3種類の結び方をマスターすることができました。

耳石とり体験

ニギスとマイワシの干物を使って「耳石とり」を体験しました。

比較的大きな耳石を持つニギスからは容易に耳石を取り出すことができましたが、マイワシの耳石はとても小さいためなかなか見つけることができない生徒が多い中、手先がとても器用で、手際よく耳石を取り出すことができる生徒もいました。

VR(ヴァーチャルリアリティ)ゴーグルによる漁業体験

昨年度導入した機器を使用して伊勢湾における底びき網漁業を体験してもらいました。

ゴーグルを装着すると、水産試験場から船の上へひとっとび!

上を見上げれば青い空、横を見渡せば水平線、下を見れば漁獲された真鯛が足元に広がりました。

愛知県の水産業についての講義

唯一の座学でしたが、皆熱心に聞いていました。

県内では唯一蒲郡市内だけにある沖合底びき網漁業の説明を中心に行いました。

そして最後には水産試験副場長から修了証書を受け取り、自らが作った黒板ノリと体験教室の成果を携えて帰路につきました。

生徒の感想を紹介

受講した生徒の感想文の一部を紹介します。

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★蒲郡市立三谷中学校 3年男子★ 
VRゴーグルの中で見たことを、本物の海で体験したいと思いました。ノリすき体験は楽しかった。

★蒲郡市立三谷中学校 3年男子★
講義を受けて、船に乗って漁業を見学したり、体験してみたくなった。愛知県の水産業の深い話をもっと聞きたかった。

★蒲郡市立中部中学校 3年男子★
耳石とり体験は初めてだったが、魚の頭の中にこんな器官があるなんて知らなかったので勉強になった。

★西尾市立一色中学校 2年男子★
ロープ結び体験は日常生活でも役に立つと思った。

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この日生徒が体験したことや学んだ知識は、本県水産業・水産物への理解と関心を深める一助となったと思われます。

新型コロナウイルス感染拡大防止への配慮から、昨年度は漁業士を講師として招くことができませんでしたが、本年度は感染防止対策の対応を十分に行った上で実際にお招きすることができました。現場の生の声を聞きながら学ぶ機会を提供できたことは、生徒にとって貴重な体験となったことでしょう。

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