JF山口浮島支店、令和3年度(第60回)農林水産祭「内閣総理大臣賞―赤貝の取り組み―」

このコラムは、 山口県漁業協同組合(JF山口)の広報誌『維新浜だより』Vol.42(2022年3月発行)とVol.43(2022年4月発行)に掲載された記事です。農林水産祭式典と、受賞した漁協の代表者のインタビューをご紹介します。

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JF山口浮島支店が「内閣総理大臣賞」を受賞!

2021年11月に東京都渋谷区の明治神宮会館で表彰式「第60回農林水産式典」が執り行われました。

農林水産祭の三賞(天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞)は、過去1年間の農林水産祭参加表彰行事において、農林水産大臣賞を受賞した346点の中から決定されます。
令和3年度(第60回)農林水産祭では、JF山口浮島支店の赤貝の資源管理の取り組み「赤貝に全集中!〜目指せ!赤貝産地日本一の山口県~(第26回全国青年・女性漁業者交流大会で「農林水産大臣賞」を受賞)」が、水産部門で受賞しました。

▶JF山口浮島支店の発表レジュメ
(JF全漁連WEBサイトから引用)
赤貝に全集中!〜目指せ!赤貝産地日本一の山口県~

右、JF山口浮島支店の平野代表

農林水産祭式典で、受賞したJF山口浮島支店の平野和生代表は、「内閣総理大臣賞という栄えある賞をいただき大変光栄に思うとともに、関係者の皆さんに感謝申し上げます。今後もこの取り組みを継続し、赤貝産地日本一を目指したい」とコメントしました。

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受賞した平野代表に赤貝の取り組みについてインタビュー

🎤「まずは、内閣総理大臣賞おめでとうございます!」

👦「ありがとうございます。今思えば、もう一つ上の天皇杯が取れなかったのがちょっと悔しいです」

🎤「赤貝の取り組みを始めたのはいつですか?」

👦「定かではないのですが、2018年だと思います。途中からデータを取り始めました。補助金をいただいて種苗を撒いているので、データを取っておこうと思い、JF山口柳井事業所の当時担当だった末冨さんにデータを取るようにお願いしました。このデータがなかったら、今回の受賞はなかったかもしれないですね」

🎤「活動を始めた経緯を教えてください」

👦「元々、ナマコ種苗を放流してましたが、密漁などでナマコが獲れなくなったので、それに代わるものをと考えました。当時、私は運営委員長をしていて、岩国市漁協の組合長から赤貝の種苗を撒いていると聞いたことがあったので、赤貝に変えてみようと思ったのがきっかけです。栽培センターより出荷まで最低でも3年はかかると聞いており、赤貝は取れなくても毎年、種苗を撒き続けないといけなかったです」

🎤「取り組み内容はどのようなものですか?」

👦「その1、底曳き網漁の操業時期に赤貝の種苗を区域を決めず、船のスクリューで拡散させながら撒きます。毎年3月に種苗を撒いているけど、今年は10月と3月に撒きました。その2、獲る赤貝の大きさを6.5センチ130g以上と決めて、それ以下のサイズはリリースします(以前は6.2センチ100g以下をリリース)。その3、操業時に入った海底ごみを持ち帰っています。今回、受賞できた理由はこの3つにあると思っています。これを浮島の底曳き網操業者の20人弱で取り組んでいます」

🎤「今年の水揚げ状況はどうですか?」

👦「まずまず。コロナ禍で蔓延防止措置が出ているにも関わらず、1キロ2,000円台が続いています。今まで、種苗放流してきたことが根付いていると思います。平均単価も漁獲量もデータを取り始めて一番いいんじゃないかな」

🎤「主な出荷先はどこですか?」

👦「末冨さんが開拓してくれて、京都などの関西に出荷しています」

🎤「この取り組みを行って良かったことや変わってきたことはありますか?」

👦「昨今の不漁の中、赤貝だけでも水揚げ上がったことですね。種苗放流する以前は赤貝の水揚げがゼロの時もありました。魚が少なくなってマンガン漕ぎをする人がすごく減った時期があったけど、今は維持できています。これまではマンガン漕ぎの副産物だった赤貝が、今はメインの魚種になりつつある。この前、水揚金額が赤貝だけ54,000円の時がありました」

🎤「続いている秘訣は?」

👦「水揚げが上がるからです。リリースした分、確実に水揚げに繋がっています。赤貝を36個獲って、26個リリースした時があった。2/3から3/4リリースしたことになりますね。それでも、この決め事をみんながきちんと守っています。それと、海底ごみを持ち帰っていることも続いている秘訣と思います。赤貝の天敵は案外人間かもしれない。人間が捨てたごみで海底が埋め尽くされたり、ビニール袋がマイクロプラスチックになり、貝が呼吸できなくなったりして、赤貝が生息できなくなる可能性があります」

🎤「今後の活動について」

👦「種苗の予算を増やしてもらうように掛け合うしかないけど、役場は首を縦には振ってくれません。他の支店の人とチームを組んで、種苗を増やしてもらうようにお願いしていきたい。海底ごみについては、持ち帰った大量のごみを幾つかに分別しないといけないのですが、この仕分けが実は一番大変で、青年部有志によるボランティアが実情です。予算の大半は、ごみの処分費(焼却、埋め立てなど)であり、分別の仕事をしてくれている彼らにも、手厚い助成金をお願いしたいと思っています」

JF山口浮島支店の青年部の皆さん
ごみを分別

「また、海底ごみ(特にプラスチックの砕けたものなど)を全ての操業者が持ち帰るという意識をこれからも大事にしていきたいです」

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