糀で時短レシピ「サバ缶をローリングストック(循環備蓄)に」

「外出自粛」でサバ缶の良さを再認識

「緊急事態宣言」で買い出しを最小限にするために、「保存食」の備蓄をしている方も多いのではないでしょうか。私も、ふだんから発酵食品や乾物、梅干しなどの漬物、糀(こうじ)や味噌で漬けた魚や肉など、1週間くらいの食材をストックするようにしています。

ふだんは防災のため、というよりは週末に“まとめ買い”をして、平日の“時短ごはん”に備えるためなのですが、非常時も“時短と保存性”が大切ですよね!

「備える・食べる(飲む)・補充する」のサイクル

「ローリングストック(循環備蓄)」という言葉をご存知でしょうか?ローリングストック法とは、「食材を普段から多めに常備し、定期的に使いながら、使った分だけ買い足していく方法」だそうです。

備蓄した食品をふだんの食卓に並べることで、非常時も食べ慣れたものを食べられる。どうすればおいしく食べられるかをシュミレーションすることも可能ですね。非常食の考え方としてしっくりくる!

そこで思い出したのが、「サバ水煮缶」。サバ缶はたくさんのメーカーから出ていて、わが家にもいつもストックされている食材の一つです。

でも、新鮮な魚などの食材は近所で買えるし……と、ほとんど使わずストックをローリング(回転)させていませんでした。

“サバ缶料理”、人気ですよね!かんたんに多彩なメニューができるのよね……と知ってはいたものの、やはりあまり使わなかった(苦笑)。

火を使わない「サバ缶醤油糀そぼろ」が最高!

サバ缶そぼろご飯。添えてあるのは自家製しそ梅酢の紅ショウガ

しかし、「外出自粛」で“家にある食材で作る”ことを意識してから、使ってみることに。そのままやサラダはもちろん、炊き込みご飯、煮込み、焼き物などなど……確かにいろいろ使えておいしい!サバ缶すごい!調理済みで丸ごと食べられる魚は本当に便利。

……といろいろ試したものの、私がどれよりも一番おいしいと感じ、子どもたちにも大好評だったのはシンプルな「サバ缶そぼろ」でした。

普通のサバ缶(190g入)に醤油糀大さじ1くらい(量はお好みで)

つくり方は、「水気を切ったサバ缶に、醤油糀をまぜてほぐすだけ!」です。火も包丁もいらない。缶のまま混ぜてもよいでしょう。白ゴマをまぜても。

サバ缶は、調理済みの魚なので加熱方法によっては臭みが出てしまう。しかし、混ぜるだけの「そぼろ」ならその心配がいらない。“そのまま美味しい”は非常時にも肝要です。

いつもの“おうちランチ”には「三色丼」もいいですね!

サバ缶そぼろと梅おろしのそうめん

そうめんにのせても◎。茹で時間の短いそうめんは、非常時にもおススメの食材だそう。

「サバ缶醤油糀そぼろ」ぜひ作ってみてください!醤油やみりんや酒、ショウガを入れて煮る必要なし。調理済みのサバ缶なのですから。いや、むしろ醤油糀を混ぜただけの方が私は好きです♪ズボラ飯?ねこまんまみたい?でもおいしいからOK。

シンプルイズベストです(笑)。

サバ缶炊き込みご飯もおススメ♪

サバ缶とひじきの梅風味炊き込みご飯

「サバ缶炊き込みご飯」もおススメです。米にサバ缶を汁ごと入れ、調味料は醤油糀のみ。戻したひじきと梅干しと一緒に炊いてまぜるだけ。「乾燥ひじき」も「梅干し」もローリングストック向けの食材です。

梅干しは疲労回復や殺菌効果がすばらしいのはもちろん、調味料にもなります。わが家では、数年前から自家製梅干しを毎年作っています。自家製梅干しの良さもお伝えしたいけど、長くなるのでまたの機会に(笑)。

免疫力アップ効果も注目されているDHA・EPAたっぷり、カルシウムを摂取できるサバ缶は、ふだんから上手に取り入れたい食材だなあと思いました。これからはサバ缶ストックを“回転”させて、いざという時に備えます!

あ、忘れちゃいけません。「醤油糀」も大切な備蓄食材です。ふだんは冷蔵庫で保存していますが、いざという時は常温でも大丈夫。

味つけかんたん、腸内環境改善・免疫力アップにも役立ってくれます。糀にはリラックス効果やストレス軽減効果もあると言われているのですよ。

市販品もありますが、かんたんに作れるので、いつも多めに作ってストックしてください。

つくり方は下記を参照に▼
万能おさかな調味料“マイ醤油糀”を作ろう!

~“今”を乗り越えようとがんばるすべての方に感謝と敬意を表します~

 

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  • 高木 佐知子(たかぎ さちこ)

    Cozy Kitchen代表。糀マイスター、みそソムリエ。 「発酵子育てキッチン」連載がスタート! 2019年11月~2020年11月まで、「糀で時短レシピ」を連載。糀の力を活用した、簡単だけどおいしくてヘルシーなレシピを紹介してきました。 2020年12月からは、「発酵子育てキッチン」と題し、リアルな子育て・食育奮闘記の連載がスタートしました。   【現役ワーママの食育事情―「発酵子育てキッチン」連載にあたり】 年の差三姉妹(15歳・7歳・5歳)の子育てと通勤生活に奔走する中、“糀でおいしく健康&毎日無理ない炊事”をテーマに日々料理研究している高木です。   子育てと通勤をこなす日々は本当に忙しいです! 高木家では、毎日の炊事は時短が基本だけどときどき子どもたちと“キッチンに立つ”時間を大切にしています。   料理を任せたときの、子どもの真剣な眼差し。これがたまらなくいいのです。そしてできた!時のキラキラした笑顔。きっと子どもの力になると信じています。   「食べること」=「生きる力」。 「食育」という言葉が定着して久しいけれど、食の基本は家で育むものと思います。   とはいえ、私もドタバタ子育て真っ最中で自信なんて全くありません! 時間の余裕のなさに、家族にイライラをぶつけてしまって反省することもよくあること。   何が正しいかなんてわからないけど、“台所仕事は楽しい”を共有できたらきっといい時間になるし、子どもの生きる力につながるはず…と。   平日は忙しくとも、ゆっくりできる週末に家族で農業体験をしたり、季節の発酵食品づくりをしたり、魚を丸ごと捌いたり・・・・・・。 そして時には食育失敗談も…!?高木家のリアルな“発酵子育てキッチン”をお伝えできたら…と思います。   ——“発酵”を待つように、成長をあせらず見守りたいな。親も子も一緒にのびのび発酵♪   【略歴】 旬の魚とお酒に目がないワーキングマザー。日本さかな検定2級。 千葉県生まれ。農家の祖父母のもとに育ち、幼少より発酵食品に親しむ。現在は子育てと仕事に奔走する傍ら、料理研究する日々。自家製発酵食品を活用して、忙しくても無理なく続けられる“台所仕事”とお気楽“食養生”を、身をもって実行している。 活動実績は、発酵料理講師、飲食店の糀メニュー監修・レシピ開発、メディア取材協力、第2回フレッシュミズ部会講師、プライドフィッシュを使った料理教室など。流山市在住。   Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook:https://www.facebook.com/cozykitchen.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/cozykitchen_jp/

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