糀で時短レシピ「牡蠣のあったか味噌チャウダー&濃厚つまみ」

カキ好きにとってうれしい季節がやってきました♪
仕事帰りのスーパーでも、新鮮な真ガキが手に入る。しかも手軽なむき身で!
日本はつくづく恵まれた環境だなあと思います。

 「海のミルク」と呼ばれるほど栄養が豊富なカキは、滋養強壮に美肌に…男性も女性も上手に取り入れたい食材。日本人に不足しがちな、鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルを豊富に含みます。

そんなカキの魅力はやっぱりあの濃厚な旨味ですよね!
カキの旨味は豊富な「グリコーゲン」と貝類の旨味成分代表「コハク酸」、甘味のある「グリシン」の相乗効果によるもの。旨味があとを引いて、もう一つ、もう一つとつい手が伸びます(笑)。

色々使える丸ごと食材“真ガキ”

写真:「広島かき」プライドフィッシュホームページより http://www.pride-fish.jp/

※カキの産地は、生産量では広島・宮城・岡山が有名ですが、他にも多くの県で養殖されています。

生食も捨てがたいけど、蒸し牡蠣、焼き牡蠣、カキフライ…。そして和洋中とどんな味つけでも合って、野菜など他の食材とも合わせやすいカキ。スーパーで手に入るむき身は調理がかんたん!手抜きでもおいしい!…とくれば、忙しい現代人のお助け食材ですよね。

カキは冬のお鍋にはもちろん、定番から創作まで、本当に日々のお料理に重宝します。

今日はこの季節ならではの、あったかスープをご紹介したいと思います。

鍋1つでできるかんたんレシピだけど、カキの旨味をより引き出すコツをおさえています。

コンソメなどの出汁いらず。パンにもごはんにも合う、シーズン中何度も作りたくなる飽きの来ない味です。スープジャーに入れてお弁当にもぜひ♪

コツは2つ!糀と調理法でカキの旨味をひきだすチャウダー

それでは作っていきましょう。

コツは2つ!
▶下ごしらえ行程で「塩糀登場!」
▶調理行程で「カキのエキスを生かす」

野菜は残り野菜なんでもOKですが、おすすめは旬の「カブ」と「長芋」。
カブは茎も葉も丸ごと使えば、彩りも栄養も満点!

豆乳と味噌で、乳製品ゼロでも深いコクと旨味のある食べるスープです。

下ごしらえ済みの具材

<材料(2~3人分)>
・真ガキむき身(加熱用)…10粒
・塩糀…小さじ2
・オリーブ油…大さじ2
・酒…大さじ2
・小カブ…2個
・長芋…1/2本
・玉ネギ…1/4個
・人参…1/3本
・ベーコン薄切り…2枚
・米粉(または小麦粉)…大さじ1
・水…200ml
・豆乳…200ml
・味噌(白または淡色)…大さじ2
・塩・コショウ…少々


<下ごしらえ>
●カキの下処理(うま味を残して汚れを落とします)
カキをボールにあけ、片栗粉を表面に薄くまぶす。汚れを吸着したら、約3%の食塩水(1ℓの水にザっとひとつかみの塩を溶かしたくらい)で、手ですくうように洗う。汚れが落ちるまで数回塩水でやさしく洗い、ザルに上げ、キッチンペーパーで水気をおさえる。

●下処理したカキは、塩糀で和えておく。※旨味を引き出すコツ1

●野菜・ベーコンは大きさを揃えるのがポイント
・カブは葉と根を分け、根は1cm角に切って、葉は1cmに刻む。
・長芋は皮をむいて、1cm角に切る。
・玉ねぎも1cmくらいに。
・人参は3mmの輪切りにしてから、1cmくらいに。
・ベーコンも1cmに。

【つくり方】

①鍋にオリーブ油大さじ1を熱し、カキと酒を入れてアルコールを飛ばす。カキがプリっとしたら、いったんカキの身を取り出す(エキスは鍋に残す)。※旨味を引き出すコツ2

② ①の鍋に野菜(カブの葉以外)とベーコンを入れ、オリーブ油大さじ1を回しかけ、中火で数分炒める。米粉(小麦粉)を全体にふりかけ、粉っぽさがなくなるまで炒め混ぜる。

③水を加え、フタをして時々混ぜながら野菜に火が通るまで煮たら(約5分)、①で取り出したカキの身・カブの葉・豆乳を加え、中火で加熱する。

④スープがふつふつとしてきたら、味噌・塩・コショウを加え、味をととのえる。
※沸騰しすぎると、豆乳が分離するので注意。

⑤器によそい、オリーブ油(分量外)を少したらしたらできあがり♪

今日はパン?ごはん?ワイン?日本酒?(笑)
何でも合っちゃう、心もカラダもあたたまるスープです。
1滴のこさず召し上がれ!

カキが残ったら…かんたん濃厚!糀×カキのつまみ2種

サッと茹でておろしポン酢も大好きだけど、いつもと違った味も楽しみたい。
高木家定番、冬の酒のあてにぴったり!パパっと作れる濃厚つまみも2種ご紹介しちゃいま~す。

 

【その1:カキの醤油糀オイル漬】
保存食なのに、すぐ食べきっちゃう高木家人気の一品。多めに作るといい。
残ったオイルはパスタや炒めものに使えます。

<材料(つくりやすい分量)とつくり方>
・カキむき身…200g
・酒…大さじ2
・醤油糀…小さじ2
・にんにくスライス…1/2片
・ローリエ…1枚
・輪切り唐辛子…適量
・オリーブオイル…適量

①下処理したカキをフライパンに入れ、強火で軽くゆすりながら乾煎りする。
②カキがプリっとしてきたら、酒を加えてアルコールを飛ばす。
③ボールに②を入れ、粗熱が取れたら醤油糀・にんにく・ローリエ・唐辛子を和える。
④を清潔な保存ビンに入れ、オリーブ油をひたひたまで注ぐ。
⑤冷蔵庫で保存する(1晩置いたくらいから食べごろ)。

 

【その2:カキの香味味噌マヨ焼き】
エシャレットの風味とシャキシャキ感がアクセント。
トースターでかんたん!子どもも好きな、濃厚味噌マヨ味。

<材料(2人分)とつくり方>
・カキむき身…8個
・マヨネーズ…大さじ1
・味噌…小さじ1/2
・エシャレット…1個
・一味唐辛子…少々

①マヨネーズに味噌を加え混ぜ、みじん切りにしたエシャレット、一味唐辛子を加えさらによく混ぜる。

②耐熱容器かアルミホイルに下処理したカキを並べ、①の香味味噌マヨを表面にのせる。

③予熱したオーブントースターで15分~20分、味噌マヨに焦げ目がつくまで焼く。

トーストしたバゲットにのせると、おもてなしや晩酌のおともに最高!

 

さて、今期は何個のカキさんがみなさんの胃袋へ入ることやら…!?(笑)

 

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  • 高木 佐知子(たかぎ さちこ)

    Cozy Kitchen代表。糀マイスター、みそソムリエ。 「発酵子育てキッチン」連載がスタート! 2019年11月~2020年11月まで、「糀で時短レシピ」を連載。糀の力を活用した、簡単だけどおいしくてヘルシーなレシピを紹介してきました。 2020年12月からは、「発酵子育てキッチン」と題し、リアルな子育て・食育奮闘記の連載がスタートしました。   【現役ワーママの食育事情―「発酵子育てキッチン」連載にあたり】 年の差三姉妹(15歳・7歳・5歳)の子育てと通勤生活に奔走する中、“糀でおいしく健康&毎日無理ない炊事”をテーマに日々料理研究している高木です。   子育てと通勤をこなす日々は本当に忙しいです! 高木家では、毎日の炊事は時短が基本だけどときどき子どもたちと“キッチンに立つ”時間を大切にしています。   料理を任せたときの、子どもの真剣な眼差し。これがたまらなくいいのです。そしてできた!時のキラキラした笑顔。きっと子どもの力になると信じています。   「食べること」=「生きる力」。 「食育」という言葉が定着して久しいけれど、食の基本は家で育むものと思います。   とはいえ、私もドタバタ子育て真っ最中で自信なんて全くありません! 時間の余裕のなさに、家族にイライラをぶつけてしまって反省することもよくあること。   何が正しいかなんてわからないけど、“台所仕事は楽しい”を共有できたらきっといい時間になるし、子どもの生きる力につながるはず…と。   平日は忙しくとも、ゆっくりできる週末に家族で農業体験をしたり、季節の発酵食品づくりをしたり、魚を丸ごと捌いたり・・・・・・。 そして時には食育失敗談も…!?高木家のリアルな“発酵子育てキッチン”をお伝えできたら…と思います。   ——“発酵”を待つように、成長をあせらず見守りたいな。親も子も一緒にのびのび発酵♪   【略歴】 旬の魚とお酒に目がないワーキングマザー。日本さかな検定2級。 千葉県生まれ。農家の祖父母のもとに育ち、幼少より発酵食品に親しむ。現在は子育てと仕事に奔走する傍ら、料理研究する日々。自家製発酵食品を活用して、忙しくても無理なく続けられる“台所仕事”とお気楽“食養生”を、身をもって実行している。 活動実績は、発酵料理講師、飲食店の糀メニュー監修・レシピ開発、メディア取材協力、第2回フレッシュミズ部会講師、プライドフィッシュを使った料理教室など。流山市在住。   Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook:https://www.facebook.com/cozykitchen.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/cozykitchen_jp/

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