簡単おさかな料理 糀で時短レシピ「牡蠣のあったか味噌チャウダー&濃厚つまみ」 2020.11.2 高木 佐知子(たかぎ さちこ) 印刷する カキ好きにとってうれしい季節がやってきました♪ 仕事帰りのスーパーでも、新鮮な真ガキが手に入る。しかも手軽なむき身で! 日本はつくづく恵まれた環境だなあと思います。 「海のミルク」と呼ばれるほど栄養が豊富なカキは、滋養強壮に美肌に…男性も女性も上手に取り入れたい食材。日本人に不足しがちな、鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルを豊富に含みます。 そんなカキの魅力はやっぱりあの濃厚な旨味ですよね! カキの旨味は豊富な「グリコーゲン」と貝類の旨味成分代表「コハク酸」、甘味のある「グリシン」の相乗効果によるもの。旨味があとを引いて、もう一つ、もう一つとつい手が伸びます(笑)。 色々使える丸ごと食材“真ガキ”写真:「広島かき」プライドフィッシュホームページより http://www.pride-fish.jp/※カキの産地は、生産量では広島・宮城・岡山が有名ですが、他にも多くの県で養殖されています。 生食も捨てがたいけど、蒸し牡蠣、焼き牡蠣、カキフライ…。そして和洋中とどんな味つけでも合って、野菜など他の食材とも合わせやすいカキ。スーパーで手に入るむき身は調理がかんたん!手抜きでもおいしい!…とくれば、忙しい現代人のお助け食材ですよね。 カキは冬のお鍋にはもちろん、定番から創作まで、本当に日々のお料理に重宝します。 今日はこの季節ならではの、あったかスープをご紹介したいと思います。 鍋1つでできるかんたんレシピだけど、カキの旨味をより引き出すコツをおさえています。 コンソメなどの出汁いらず。パンにもごはんにも合う、シーズン中何度も作りたくなる飽きの来ない味です。スープジャーに入れてお弁当にもぜひ♪ コツは2つ!糀と調理法でカキの旨味をひきだすチャウダーそれでは作っていきましょう。 コツは2つ! ▶下ごしらえ行程で「塩糀登場!」 ▶調理行程で「カキのエキスを生かす」 野菜は残り野菜なんでもOKですが、おすすめは旬の「カブ」と「長芋」。 カブは茎も葉も丸ごと使えば、彩りも栄養も満点! 豆乳と味噌で、乳製品ゼロでも深いコクと旨味のある食べるスープです。 下ごしらえ済みの具材<材料(2~3人分)> ・真ガキむき身(加熱用)…10粒 ・塩糀…小さじ2 ・オリーブ油…大さじ2 ・酒…大さじ2 ・小カブ…2個 ・長芋…1/2本 ・玉ネギ…1/4個 ・人参…1/3本 ・ベーコン薄切り…2枚 ・米粉(または小麦粉)…大さじ1 ・水…200ml ・豆乳…200ml ・味噌(白または淡色)…大さじ2 ・塩・コショウ…少々 <下ごしらえ> ●カキの下処理(うま味を残して汚れを落とします) カキをボールにあけ、片栗粉を表面に薄くまぶす。汚れを吸着したら、約3%の食塩水(1ℓの水にザっとひとつかみの塩を溶かしたくらい)で、手ですくうように洗う。汚れが落ちるまで数回塩水でやさしく洗い、ザルに上げ、キッチンペーパーで水気をおさえる。 ●下処理したカキは、塩糀で和えておく。※旨味を引き出すコツ1 ●野菜・ベーコンは大きさを揃えるのがポイント ・カブは葉と根を分け、根は1cm角に切って、葉は1cmに刻む。 ・長芋は皮をむいて、1cm角に切る。 ・玉ねぎも1cmくらいに。 ・人参は3mmの輪切りにしてから、1cmくらいに。 ・ベーコンも1cmに。 【つくり方】①鍋にオリーブ油大さじ1を熱し、カキと酒を入れてアルコールを飛ばす。カキがプリっとしたら、いったんカキの身を取り出す(エキスは鍋に残す)。※旨味を引き出すコツ2 ② ①の鍋に野菜(カブの葉以外)とベーコンを入れ、オリーブ油大さじ1を回しかけ、中火で数分炒める。米粉(小麦粉)を全体にふりかけ、粉っぽさがなくなるまで炒め混ぜる。 ③水を加え、フタをして時々混ぜながら野菜に火が通るまで煮たら(約5分)、①で取り出したカキの身・カブの葉・豆乳を加え、中火で加熱する。 ④スープがふつふつとしてきたら、味噌・塩・コショウを加え、味をととのえる。 ※沸騰しすぎると、豆乳が分離するので注意。 ⑤器によそい、オリーブ油(分量外)を少したらしたらできあがり♪ 今日はパン?ごはん?ワイン?日本酒?(笑) 何でも合っちゃう、心もカラダもあたたまるスープです。 1滴のこさず召し上がれ! カキが残ったら…かんたん濃厚!糀×カキのつまみ2種サッと茹でておろしポン酢も大好きだけど、いつもと違った味も楽しみたい。 高木家定番、冬の酒のあてにぴったり!パパっと作れる濃厚つまみも2種ご紹介しちゃいま~す。 【その1:カキの醤油糀オイル漬】 保存食なのに、すぐ食べきっちゃう高木家人気の一品。多めに作るといい。 残ったオイルはパスタや炒めものに使えます。 <材料(つくりやすい分量)とつくり方> ・カキむき身…200g ・酒…大さじ2 ・醤油糀…小さじ2 ・にんにくスライス…1/2片 ・ローリエ…1枚 ・輪切り唐辛子…適量 ・オリーブオイル…適量 ①下処理したカキをフライパンに入れ、強火で軽くゆすりながら乾煎りする。 ②カキがプリっとしてきたら、酒を加えてアルコールを飛ばす。 ③ボールに②を入れ、粗熱が取れたら醤油糀・にんにく・ローリエ・唐辛子を和える。 ④を清潔な保存ビンに入れ、オリーブ油をひたひたまで注ぐ。 ⑤冷蔵庫で保存する(1晩置いたくらいから食べごろ)。 【その2:カキの香味味噌マヨ焼き】 エシャレットの風味とシャキシャキ感がアクセント。 トースターでかんたん!子どもも好きな、濃厚味噌マヨ味。 <材料(2人分)とつくり方> ・カキむき身…8個 ・マヨネーズ…大さじ1 ・味噌…小さじ1/2 ・エシャレット…1個 ・一味唐辛子…少々 ①マヨネーズに味噌を加え混ぜ、みじん切りにしたエシャレット、一味唐辛子を加えさらによく混ぜる。 ②耐熱容器かアルミホイルに下処理したカキを並べ、①の香味味噌マヨを表面にのせる。 ③予熱したオーブントースターで15分~20分、味噌マヨに焦げ目がつくまで焼く。 トーストしたバゲットにのせると、おもてなしや晩酌のおともに最高! さて、今期は何個のカキさんがみなさんの胃袋へ入ることやら…!?(笑) 日々の美味しい暮らしを発信中 Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook Instagram レシピ発酵高木 佐知子(たかぎ さちこ)Cozy Kitchen代表。糀マイスター、みそソムリエ。 「発酵子育てキッチン」連載がスタート! 2019年11月~2020年11月まで、「糀で時短レシピ」を連載。糀の力を活用した、簡単だけどおいしくてヘルシーなレシピを紹介してきました。 2020年12月からは、「発酵子育てキッチン」と題し、リアルな子育て・食育奮闘記の連載がスタートしました。 【現役ワーママの食育事情―「発酵子育てキッチン」連載にあたり】 年の差三姉妹(15歳・7歳・5歳)の子育てと通勤生活に奔走する中、“糀でおいしく健康&毎日無理ない炊事”をテーマに日々料理研究している高木です。 子育てと通勤をこなす日々は本当に忙しいです! 高木家では、毎日の炊事は時短が基本だけどときどき子どもたちと“キッチンに立つ”時間を大切にしています。 料理を任せたときの、子どもの真剣な眼差し。これがたまらなくいいのです。そしてできた!時のキラキラした笑顔。きっと子どもの力になると信じています。 「食べること」=「生きる力」。 「食育」という言葉が定着して久しいけれど、食の基本は家で育むものと思います。 とはいえ、私もドタバタ子育て真っ最中で自信なんて全くありません! 時間の余裕のなさに、家族にイライラをぶつけてしまって反省することもよくあること。 何が正しいかなんてわからないけど、“台所仕事は楽しい”を共有できたらきっといい時間になるし、子どもの生きる力につながるはず…と。 平日は忙しくとも、ゆっくりできる週末に家族で農業体験をしたり、季節の発酵食品づくりをしたり、魚を丸ごと捌いたり・・・・・・。 そして時には食育失敗談も…!?高木家のリアルな“発酵子育てキッチン”をお伝えできたら…と思います。 ——“発酵”を待つように、成長をあせらず見守りたいな。親も子も一緒にのびのび発酵♪ 【略歴】 旬の魚とお酒に目がないワーキングマザー。日本さかな検定2級。 千葉県生まれ。農家の祖父母のもとに育ち、幼少より発酵食品に親しむ。現在は子育てと仕事に奔走する傍ら、料理研究する日々。自家製発酵食品を活用して、忙しくても無理なく続けられる“台所仕事”とお気楽“食養生”を、身をもって実行している。 活動実績は、発酵料理講師、飲食店の糀メニュー監修・レシピ開発、メディア取材協力、第2回フレッシュミズ部会講師、プライドフィッシュを使った料理教室など。流山市在住。 Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook:https://www.facebook.com/cozykitchen.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/cozykitchen_jp/このライターの記事をもっと読む
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