第44回全国豊かな海づくり大会、三重県で開催

大会テーマは「受け継ごう 命あふれる 清い海」

第44回全国豊かな海づくり大会が11月9日、天皇・皇后両陛下ご臨席の下、三重県志摩市と南伊勢町で開催され、式典行事、海上歓迎・放流行事などが行われました。三重県での開催は、1984年に志摩郡浜島町(現:志摩市浜島町)で行われた第4回以来、41年ぶり2度目です。

今大会のテーマは「受け継ごう 命あふれる 清い海」。大会を通して、水産資源の保護・管理、海や河川などの水域環境保全、自然環境を守っていくことの重要性を三重県内外へ周知するとともに、豊かな海の再生に取り組む漁業者の姿と県産水産物の魅力などを全国に広くPRしました。

式典行事の模様

天皇・皇后両陛下ご臨席の下、式典行事を開催

式典行事は、志摩市阿児アリーナで開催され、濱口慶太JF三重漁連会長の開会の言葉で幕を開けました。

全国豊かな海づくり大会会長の額賀福志郎衆議院議長は「古くから『うまし国』と呼ばれる三重県は、海の幸が豊富にあり、全国的に著名な水産物の宝庫となっている。海洋や河川と豊かな関係を育んできた三重県において、本大会を41年ぶりに開催することができ、嬉しく思う」、一見勝之三重県知事は「第4回大会の開催を契機に本県ではマダイやアワビなどの種苗放流、ハマグリやイセエビなどの資源管理、藻場・干潟造成などを推進し、漁業関係者が一丸となって豊かな海づくりに取り組んできた。そして、本大会の開催を契機に、豊かな海を恵みを守り、育て、未来へ繋げていく歩みを世代を超えて進めていく」と挨拶。その後、橋爪政吉志摩市長が歓迎の言葉を述べました。

式典行事の模様(代表撮影)

その後、天皇陛下から「豊かな海の環境を保全するとともに、水産資源を適切に保護・管理し、次世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた大切な使命です。近年、気候変動の影響など、多くの課題に直面している漁業関係者の皆さんには御苦労も多いことと思いますが、本日表彰を受けられる方々を始め、全国各地において日頃から豊かな海づくりに取り組んでいる皆さんの活動が、今後とも多くの人々によって支えられ、更に発展していくことを希望します」とのおことばを賜わりました。

おことばを述べる天皇陛下(代表撮影)

功績団体等表彰では、額賀大会会長、鈴木憲和農林水産大臣、石原宏高環境大臣、藤田仁司水産庁長官、一見三重県知事が、それぞれ各賞代表者に表彰状を手渡しました。続いて、作文コンクールで最優秀作文を受賞した川原瑠心さん(鳥羽市立答志中3年)による作文「海苔で伝える海の危機」の発表、大会開催を記念して放流されるマハタ、アコヤガイ、クロノリ・アオノリ、アマゴの「稚魚等のお手渡し」、若手漁業者らによる「海づくりメッセージ」が行われました。

稚魚等のお手渡し(代表撮影)

その後、坂本雅信大会推進委員会会長(JF全漁連会長)が大会決議を朗読、満場の拍手をもって採択されました。

大会決議を朗読する坂本大会推進委員会会長

最後に、一見三重県知事から次期開催地の吉村洋文大阪府知事へ大会旗の引き継ぎが行われました。

式典行事後にはイセエビとマダイをご放流

稚魚などをご放流する天皇・皇后両陛下
海上パレードの模様

式典行事後の海上歓迎・放流行事は、宿田曽漁港(南伊勢町)の特設会場で行われました。両陛下は式典行事に引き続き、ご臨席され、三重県内の漁船や調査船などによる海上パレードをご観覧された後、額賀大会会長、坂本大会推進委員会会長らとイセエビとマダイの稚魚をご放流されました。

次回大会は、来年11月15日に大阪府の岸和田市と泉佐野市で開催する予定です。

  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

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