日本の漁師たち 「漁業と漁師の魅力を知って欲しい」、若手漁師が小学校で出前授業 2024.9.30 JF全漁連編集部 印刷する 漁業協同組合青年部の全国団体であるJF全国漁青連は9月4日、東京都練馬区立春日小学校で出前授業を実施しました。 春日小学校での出前授業は本年で8回目。JF全国漁青連の阿部誠二会長(宮城県)、金城勝副会長(沖縄県)の2人が訪問しました。 歓迎のメッセージが、阿部会長と金城副会長をお出迎えこの日は、同校の5年生56人が参加しました。冒頭に「魚が好きな人」の質問に、児童らは「はーい!」と手を挙げながら元気よく答えました。 出前授業では、海の生態系と漁業を守るための、漁師の取り組みや、海水温の上昇による海の環境変化とそれに対応して始めた新たな漁業などについて、写真や動画を使いながら説明し、漁業の魅力を伝えました。 スライドを使って説明する金城副会長初めに金城副会長が、地元沖縄でモズクの養殖場、通称「モズク畑」をどのように管理し、モズクを育てているのか、空中および水中撮影した動画を使い、分かりやすく説明しました。 モズク養殖には、サンゴ礁の保全が重要です。そのために、サンゴの養殖やサンゴを食べるオニヒトデの駆除を行っているほか、陸地から流入する赤土を防ぐために、サトウキビの葉ガラを畑に敷く取り組みを、農家と協力して普及させていることを説明しました。 この他、恩納村のモズクでつくった商品を児童らに試食提供しました。 「おいしい!」の感想が飛び交った試食の「恩納村の太もずく」続いて、阿部会長が地元宮城で行うタチウオ漁について紹介しました。タチウオは5年前まで、宮城ではほぼ見られなかった魚だと言います。「南の魚が北上し、これまで獲れていなかった魚が獲れるようになり、逆に獲れていた魚は獲れなくなった。この海の変化に対応してタチウオ漁を始めることにした」と説明しました。 阿部会長は、限りある資源をたくさん獲るのではなく、いかにタチウオ1匹の価値を上げるかということにこだわっています。傷を付けにくく、釣り上げることができる、ひき縄漁を導入し、梱包も丁寧に行っています。 阿部会長が実際に漁を行う映像が流れると、長い体をうねらせながら銀色に輝くタチウオが釣り上がり、児童らは「うわー、きれい」と歓声を上げました。 「1匹の価値を上げる」ことにこだわりを持って、阿部会長が釣り上げた美しいタチウオ阿部会長と金城副会長は、実際に使っている漁具も児童らに披露しました。児童は初めて見るモズク養殖用の網や、タチウオ漁の疑似餌や釣り針を興味深そうに触り、観察しました。 20mのモズク養殖用の網を「触ってみたい」と手を挙げる児童タチウオのひき縄漁で使う疑似餌と釣り針の説明をする阿部会長質問タイムでは、児童から「朝は何時に起きるか」、「泳げないと漁師になれないか」など、次々に質問があがり、阿部会長と金城副会長が丁寧に回答しました。中には、「『若い漁師が減っている』と言っていたが、それはなぜか」との鋭い質問や、「給料はいくらですか」と率直な質問も出ました。 一瞬2人が顔を見合わせ言葉を詰まらせるシーンもありましたが、阿部会長は、「漁師の仕事は朝早く起きて体力も使う。漁師の魅力は、昔はたくさん稼げることだった。今はいろんな仕事があり選択肢も広がったため、漁師を選ぶ人が減ってきた。それでも自分は、漁師の仕事が楽しいから続けている。そういう風に思う人が増えるといいなと思って、この活動をやっている」などと回答しました。 漁師や漁業に関する疑問が次々に出た質問タイム* * * あっという間の児童との楽しい時間が終わり、片付けをしていると、会場の入り口の外からこちらをチラチラと覗いていた児童が「漁師さんと握手したい!」と勇気を振り絞って話してきました。今日の授業に参加し、一気に2人の漁師のファンになったようです。 これからも、子供たちに漁業と漁師の魅力を伝える活動を続けていきます。 イケメンJF全漁連漁協(JF)漁師若手中堅青年部イベントJF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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