組合学校がJF全漁連トップセミナーを開催、学生ら漁業の最前線を学ぶ

全国漁業協同組合学校(組合学校)は7月9日(火)、JF全漁連トップセミナーを開催しました。

組合学校(千葉県・柏市)は、漁協職員を養成する学校です。全国各地から入学する学生たちは、1年間の寮生活を送りながら、漁協職員として必要なスキルや資格の取得、さまざまな事業を運営するためのノウハウを専門的に勉強します。

JF全漁連の会議室で開催した今回のセミナーには、3人の学生が参加。本セミナーの目的は、JFグループの動向やJF全漁連の組織と業務について学ぶことです。

冒頭、JF全漁連の坂本雅信会長が「漁協は、漁業者が獲った魚を最初に取り扱い、漁業者に最も近い組織。魚を消費者の口に届けるまで、JFグループが果たす役割と機能は多い。今日は特に、JF全漁連の関わりについて学んでもらい、卒業後の仕事に役立たせてもらいたい」とあいさつしました。

あいさつする坂本会長

続いてJF全漁連の内田珠一専務の講義を受講。「全漁連販売事業本部の体制と実践~JFグループの経済事業強化~」と題し、配布した資料をベースに内田専務が経験談を交え、販売事業本部の体制と実践について詳しく説明しました。

実体験の話を交えて講義を進める内田専務

生徒たちは内田専務の話に真剣に耳を傾け、細部を聞き逃すまいと集中した表情を見せていました。

販売事業本部の原料から製品までの一貫した取り組みを学ぶ生徒

講義の後は質疑応答の時間です。

学生から、「水産資源の減少について、水産業としてどう対応していけばよいのか常々考えている」と意見があり、内田専務は「水産資源の減少により困っている漁業者のための、さまざまな取り組みを行っているが、昨今の海洋環境の激変に対して重要なのは、漁場改善のために藻場を造成したり、海の酸性化を防ぐためにカキ殻を撒いたり、海底耕耘をしたり、豊かな海づくりのための地道な活動をやっていくこと」と考えを伝えました。

その他、未利用魚の活用に関する質問や、水産業界他社とのコラボレーションに関する質問があり、彼らが常に問題意識を持ち、未来の水産業のために自分たちが何をしていけばよいのか、真剣に考えていることが伝わりました。

*   *   *

4月の入学式から約3か月間、漁協職員を目指し学んできた学生たち。JF全漁連のトップセミナーでは、テキストや資料を読むだけでは得られない、現場のリアルな状況や対応、そしてそれらを今後考え続けていくための姿勢についても、学ぶ機会になったのではないでしょうか。

セミナーでは内田専務の講義のほか、守屋大・総合管理部長がJF全漁連の事業などについて説明しました。

今後、夏には20日間以上の漁協実習を控えている生徒たち。今までの学校での学習や、今回のトップセミナーでの学びを活かして、実り多い漁協実習の時間を過ごして欲しいです。

全国漁業協同組合学校は、来年度の入学生を募集しています。

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  • JF全漁連編集部

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