組合学校が漁協見学、横浜で海を守る漁師に聞く

黒川さんのお店「忠彦丸」にて記念撮影

漁業協同組合(JF)職員を養成する全国漁業協同組合学校(以下、組合学校)が5月19日(水)、横浜市漁業協同組合(以下、JF横浜市)で見学研修を実施しました。
参加したのは、今年4月に組合学校に入学した14人の学生たち。万全のコロナ対策を講じ、入学後初めての現場研修に挑みました。

14人が入学、全国漁業協同組合学校2021年度第82期入学式

はじめに、JF横浜市の代表理事組合長・黒川和彦さん講演を聴講

黒川さんのお話を聞く学生たち(JF横浜市会議室)

はじめに、学生たちはJF横浜市の代表理事組合長・黒川和彦さんの講演を聴講。黒川さんは海苔養殖業を営む漁師でもあります。

首都圏に位置するこの地区では、高度経済成長期に沿岸部の開発によって漁業権の放棄を余儀なくされたそうです。そういった苦難を乗り越えて、今では資源管理や種苗放流、藻場造成等、資源と環境を守る取り組みの先進地になっています。
黒川さんは、「漁師一人では何もできない。漁業協同組合(JF)があるからこそできる事業がたくさんある」と言います。また、ともに地域を大切に思う市民を活動に巻き込むことも大切にしているそうです。

JF横浜市は、10年後の将来を見据えて新しい取り組みにもチャレンジしています。
JF横浜市が主催する「海産物フェスタ」は毎年、多数の市民が来場し、横浜の水産物の魅力や漁業者のみなさんの活動を知っていただく機会になっています(2021年度は新型コロナ感染拡大のため中止)。
他にも、横浜市や地元企業が連携した「横浜ブルーカーボン」(海洋資源を活用した温暖化対策プロジェクト)でもJF横浜市は中心的な役割を果たしているそうです。

熱い想いで地域と漁業に向き合う黒川さんのお話は、これから漁協職員を目指す学生たちにとって、とても良い刺激になったようです。

つぎに、海苔加工場、JF横浜市の荷捌き施設を見学

海苔加工場施設を見学
JF横浜市の荷捌き施設を見学

講演後には、海苔加工場施設や荷捌き施設を見学。オフシーズンのため稼働しているところは見ることができませんでしたが、海苔加工に使うたくさんの機械を前にし、伝統ある野島産の海苔がどのように作られているのかを学びました。

初めての見学研修を終えた学生たちは、「組合長のお話をうかがい、漁協職員の重要性と必要性を改めて理解することができた」また「市民の方たちの関心を得て発展していったことが分かった」と、漁業協同組合(JF)の役割を肌で感じ取ったようです。

  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

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