特集 【特集・JFグループの運動方針】第2の柱は「組織基盤の確立」 2025.12.12 JF全漁連編集部 印刷する JFグループの運動方針(2025~2029年度)では、「海洋環境の激変に立ち向かうJF自己改革の断行」をスローガンに掲げ、①漁業者を支える事業・経営改革の断行、②組織基盤の確立、③浜での中核的役割発揮による漁村・漁業への貢献―という3つの柱に分けて、取り組みを行っています。 今回は、第2の柱である「組織基盤の確立」の概要について、ご紹介します。 * * * 日本の人口は14年連続で減少し、特に都市部から離れた漁村などでは、顕著となっています。漁村部では人口減少と高齢化が地域経済を縮小させ、さらなる人口減少と少子高齢化につながる悪循環に陥っており、漁業の新規就業者や後継者が減少し続けています。 そのような状況下においても、漁協(JF)は漁業者の生産活動をサポートするほか、漁業権管理や漁場管理、資源管理などの機能・役割を担っており、漁業生産活動の維持・継続や漁業調整には不可欠なものとなっています。 このように、漁業者と地域社会とは切っても切れない関係にあるJFが、健全な組織基盤を確立し、国民生活の発展に持続的に貢献していくために、自らが事業・経営を行う上での組織基盤の強化を図って参ります。 組織基盤の強化を図るため、「協同組合」の理念を再確認組織基盤の強化を図る上で重要になるのは、「協同組合」の理念を再確認することです。「協同組合」は、共通の目的を持った個人や事業者が集ってつくった相互扶助の組織です。「出資金」というかたちで、自分たちで元手を出し合い、組合員となって「事業」を利用し、組合員として「運営」にかかわっています。 この協同組合の強みである、「出資」、「利用」、「運営」の原則を改めて確認した上で、これに基づく協同組織の理念を組合員や役職員に浸透させ、事業の利用に生かしていきます。 折りしも2025年は、国連が第2回目の「国際協同組合年」と定めた年です。これを契機として、JFグループではさまざまな施策を実施・拡充するとともに、協同組合間での連携の強化にも取り組んでいきます。 後継者、JF役職員の確保・育成次に、漁業の新規就業者および後継者、JF役職員の確保・育成です。国内における漁業の経営体の多くは家族を中心に漁業を営む漁家ですが、近年、収入に対する不安、生活や仕事に対する価値観の多様化などにより、漁家の子弟が必ずしも漁業に就業するとは限らなくなっています。他方、就業先・転職先を含め、漁業に関心を持つ都市出身者は少なくありません。このようなことから、JFグループでは漁村地域に関わらず、漁業への就業に意欲のある希望者を安定的に確保し、漁業への定着を図っていきます。 さらには、各浜の青壮年部の活動を支援することによる将来の浜のリーダー育成や女性参画を推進するとともに、有識者や異業種企業などの多様な人材との協働が図られるよう、関係者の意識改革および啓発やJFの事業や経営にかかる理解醸成のための研修などを実施し、組織のさらなる活性化に繋げていきます。 「中核JF」の組成・育成また、今後の漁業における中核的な役割を果たしていく漁業者(中核的漁業者)を支えていくことができる体制にある「中核JF」の組成・育成に取り組みます。 目指す中核JFの姿は、①漁業者・地域から求められる機能・役割、②健全経営、③これらを実現するための組織再編―の3つの観点から、より多くの組合員の参加・利用が期待できる内容を実態に応じて、それぞれの県域で定めていきます。 都道府県内のJFをそれぞれの都道府県域で合併する「県1JF」や、その他の合併構想の実現により健全経営を果たしているJFは、中核JFとして事業・経営改革、組織基盤のさらなる強化、漁村・漁業への貢献などに持続的に取り組んで参ります。 このほか、不祥事の未然防止対策に取り組むとともに、独占禁止法を含む各種法令の遵守を徹底するほか、JFとしての持続的な収益を確保する観点から、スマート水産業や海業の分野における資材の取り扱いを推進するなどの事業化を図って参ります。 * * * Sakanadia関連記事 ▶【特集・JFグループの運動方針】「海洋環境の激変に立ち向かうJF自己改革の断行」について紹介 ▶【特集・JFグループの運動方針】第1の柱は「漁業者を支える事業・経営改革の断行」 JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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