海と魚を守る JFシェルナース事例紹介|早期に蝟集効果を確認17、年に6.0型を設置 福岡・岩屋漁港沖の海域に 2021.10.1 JF全漁連編集部 印刷する ※この記事は、2021年1月5日の水産経済新聞に掲載されたものです。水産経済新聞社の許可を得て転載しております。 ▼関連記事 JF全漁連取り扱い20年「JFシェルナース」大森敏弘専務インタビュー 2017年に福岡・岩屋漁港沖の水深30メートル海域に続き、19年にも近隣の水深28メートル海域にJFシェルナースの「6.0型」(幅・奥行き10メートル×高さ6メートル)を設置した。それぞれ設置から2年10か月と10か月後に当たる昨年11月26日に効果調査を実施。それぞれ蝟(い)集効果を確認した。 17年度礁には、マアジやイサキ、ネンブツダイなどの大群が魚礁内部や周辺を遊泳。根付き魚であるハタ類やカサゴ類、オニオコゼといった魚も多く確認された。19年度礁にも同様の傾向がみられ、早期の蝟集効果を確認した一方で、設置後の時間が長い17年度礁の方が生物の出現する種類が多く、今後は19年度礁も時間とともに餌料生物の増加や魚礁の生態系が進化していくことが期待される。 実際にシェルナースに設置した基質に詰められた貝殻は、県内産の貝殻が使用されている。福岡市漁協唐泊支所の漁業者が製作した。県内では豊前海北部漁協恒見支所も製作に携わっており、県内での貝殻利用の循環、地産地消が進んでいることも大きな特徴だ。 調査後には引き続き報告会も行われ、現地の水中映像などを漁業者に見てもらうことで理解度を高めている。また、テストピースの回収により、貝殻内に魚の餌料生物が多く付着していることなども確認できる。視覚的に「豊かな海づくり」に貢献していることの意味も大きい。 現地の声|ひびき灘漁協岩屋支所 副組合長理事兼岩屋地区代表理事 本田政安氏他県での取り組みやJF全漁連を通じ、シェルナースや貝殻がもつ効果については聞き及んでいた。私どもも沿岸域、特に近場で資源保護・増大が必要と考え、実際に2017年度と19年度に沈設している。 魚礁の周辺にはアジやイサキなどの小型魚が多く集まっているだけでなく、キジハタなどの大型魚も集まっていることが確認できた。 当初から単なるコンクリート魚礁ではなく、貝殻がもつ機能を生かして資源保護を図ろうと考えた。17年設置の魚礁では(貝殻基質がある)テストピースを実際に見せてもらったが、貝殻には魚の餌となるような生物も多くすみ着いていることが見て取れた。これにより小魚、さらには大型魚が集まっているのだと思う。実際に海中の映像を見るとよく分かる。 県の事業となるため、われわれだけの裁量で決めることはできないが、これからもシェルナースの導入を進めていきたいと考えている。魚が集まり、資源保護・回復に役立つのは間違いない。今後も関係当局に対して導入を働き掛けていきたい。 ※この記事は、2021年1月5日の水産経済新聞に掲載されたものです。水産経済新聞社の許可を得て転載しております。 SDGsJF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む JF全漁連取り扱い20年「JFシェルナース」大森敏弘専務インタビュー2021.10.1 JFシェルナース事例紹介|早期に蝟集効果を確認17、年に6.0型を設置 福岡・岩屋漁港沖の海域に2021.10.1
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