日本の漁師たち 女性部活動の活性化のヒントなどを紹介―第27回全国女性漁業者グループリーダー研究集会を開催― 2021.11.18 JF全漁連編集部 印刷する JF全漁連は10月22日、「第27回全国女性漁業者グループリーダー研究集会」をオンライン開催しました(共催:JF全国女性連)。 JF全国女性連は、漁協(JF)女性部の全国組織で、環境保全活動や魚食普及活動、女性参画運動など、漁村女性の地位向上を目指した活動を展開しています。 この研究集会は、意欲ある漁村女性や女性漁業者が地域活性化の取り組みを始めるに当たって、必要な知識・技術などを習得することを目的に毎年開催しています。 例年ですと、全国各地の漁村女性・女性漁業者が一堂に会して、研修を行っていますが、今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、初めてオンラインで開催しました(昨年は動画配信)。 今回のテーマは「JF女性部っていいかも! ―やわらか頭で見直そう―」。当日は、若手を含む89人の漁村女性が全国からオンライン参加し、女性部活動に関する講演や漁村女性の優良事例報告、記念講演などが行われました。 女性部活動に求められるリーダーシップについて講演講演を行ったのは一般社団法人 日本協同組合連携機構(JCA)の主席研究員である小川理恵さん。「女性部活動に求められるリーダーシップとは~思いやりと柔軟性のある活動を目指して~」と題して、女性が自信をもって活躍できる工夫や女性部活動の活性化のヒントなどを紹介しました。 女性部を活発化させるリーダー像については、全国の農業協同組合(JA)の女性部リーダーに行ったアンケート・ヒアリングの結果等を踏まえ、コミュニケーションや幸福感の向上、公平性を特に重視している人と説明。 また、女性が自信をもって活躍できるためのキーワードとして「学習」、「対話」、「発信の輪」の3点を挙げ、女性自らが積極的に学んで実力を高めることや、女性の活動を積極的に発信することなどの重要性を指摘しました。 さらに、女性部を盛り上がるために重要なこととして「自信を持ち、楽しみながら有意義な活動に取り組むこと」と語りました。 未利用海藻「アカモク」の商品開発について事例発表事例発表を行ったのは、第26回全国青年・女性漁業者交流大会で、その活動が評価され農林中央金庫理事長賞を受賞した、山口県漁業協同組合長門女性部仙崎支部の谷村康子さん。「美味しいアカモクあります!~アカモクを使った新商品の開発~」と題し、アカモクの商品開発に向けた取り組みについて報告しました。 長門地区では食べる習慣がなかったアカモク。谷村さんは、県の実績発表会で地元の山口県立大津緑洋高校によるアカモクの研究に関する講演を聞いたことがきっかけで商品開発に取り組むことを決意します。山口県水産研究センターの協力を得て、味付けをして袋から出したらすぐに食べられる「アカモクと切り干し大根の甘酢漬け」を開発し、他のアカモク商品との差別化を図りました。その後も試行錯誤を重ね、必要な量を取り出せるよう商品の容器をスタンドチューブ型に改良したり、「乾燥アカモク」や「アカモク塩」などの新商品を開発するなど、新たな挑戦を続けています。 また、原料を1種類の海藻に頼るのではなく、アカモクの資源管理や、アカモク以外の未利用海藻の商品開発も進めており、「これらの取り組みを通じて地域の活性化に貢献したい」と今後の意気込みを語りました。 世界中を旅する台所研究家が記念講演最後に、台所研究家の中村優さんが「美味しいものストーリー~美味しいものと出会いを求めて~」と題した記念講演を行いました。 中村さんは、世界中の家庭の台所に立ち、食を通じて学んだ異文化や家庭料理について、本やYouTubeで情報発信する取り組みを行っています。各国で出会ったおばあちゃんから学んだ料理のレシピは「ばあちゃんの幸せレシピ」 (木楽舎)として出版したほか、Youtubeの「Grandma’s Recipes」で配信しています。このYouTubeチャンネルは25万以上のフォロワーを持ち、再生回数800万回を超えます。 記念講演では、中村さんが世界中を旅することで、おばあちゃんたちから学んだレシピなどを紹介したほか、「魚を余すことなく調理し、食べることがフードロスに繋がり、そういうことをおばあちゃんたちは日常的に実践している。このような姿を見て学び、身近な生活を大切にすることがサステナブル(持続可能)な社会を実現させていくために重要」と語りました。 これらのほか、水産庁が「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」と「女性活躍のための実践活動支援事業」について、JF共水連が「介護共済」について、JF全漁連が「わかしおせっけん」について、それぞれ情報提供しました。 漁協(JF)女性活躍女性部JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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