JFレポート 第29回全国女性漁業者グループリーダー研究集会開催 テーマは「地域で幸せのおすそわけ」 2023.11.21 JF全漁連編集部 印刷する JF全漁連は10月4日(水)、「第29回全国女性漁業者グループリーダー研究集会」を開催しました(共催:JF全国女性連)。 今回のテーマは「JF女性部!地域で幸せのおすそわけ~笑顔は人を幸せにする!~」。当日は、若手を含む90人の漁村女性・女性漁業者が全国各地から参加し、女性部活動に関する事例発表や情報提供、グループディスカッションが行われました。 JF全国女性連は、漁協(JF)女性部の全国組織で、魚食普及活動や環境保全活動、女性参画運動など、漁村女性の地位向上を目指した活動を展開しています。 この研究集会は、漁村女性能力発展・実践活動促進支援事業(水産庁補助事業)の一環として、意欲ある漁村女性や女性漁業者が地域活性化の取り組みを始めるに当たり、必要な知識・技術などを習得することを目的に、毎年開催しています。 全国青年・女性漁業者交流大会の入賞者2団体が活動事例を発表「南三陸おふくろの味研究会」の小山れえ子さん最初に事例発表を行ったのは、南三陸おふくろの味研究会の小山れえ子さん。第28回全国青年・女性漁業者交流大会で水産庁長官賞を受賞した活動事例を、「食を通じて幸せを届ける~浜のお母さんの力で元気なまちづくり~」と題し、紹介しました。 南三陸おふくろの味研究会では、東日本大震災後、地元の志津川地区の人口が減少し、地域としての活力が低下したことを受け、①地元の農林漁業関係者の連携強化、②生産に携わる女性の活躍の場を広げ、人々が活発に交流する活力ある地域づくりを目的に、「食を通じて幸せを届ける」プロジェクトに取り組んでいます。 プロジェクトの柱となっているのが、地元南三陸産の水産物を使った商品の開発・製造・販売。2016年に販売を開始したタコ、カキ、ホヤ、ムール貝の缶詰は、4年間の累計で10万個を売り上げ、全国の人に南三陸町ブランドを知ってもらうきっかけとなりました。 また、プロジェクトを通じて、地域の農林漁業関係者が協力して商品開発をすすめることで連携が強まり、研究会の活動拠点が地域内外の人の交流の場として、にぎわいを作り出すまでになり、地域の活力再生や経済効果について報告されました。 JF山口蓋井島支店潮さい倶楽部の大空富士枝さん次に事例発表を行ったのは、山口県漁業協同組合(JF山口)蓋井島支店潮さい倶楽部の大空富士枝さん。「美しい故郷(ふるさと)を守り未来につなぐ」と題して、第28回全国青年・女性漁業者交流大会で農林中央金庫理事長賞を受賞した下関の離島における地域活性化の取り組みを報告しました。 下関市の吉見漁港から定期船で約40分のところにある蓋井島(ふたおいじま)では、人口がここ30年で半減し、漁業離れが進んでいます。早い段階で今後の不安感に襲われた漁協女性部では、「私たちが島を支える」という強い気持ちを持つようになり、1998年に「潮さい倶楽部」と改名し、漁協の枠を越えた島の活性化に向けた取り組みを始めました。 「潮さい倶楽部」の活動は、島内の清掃作業や防災活動、島新聞の発行による情報発信、島特産品の製造、カジメ(海藻)の資源管理など。このうち、特産品については、ヒジキの製造・販売に注力し、2021年にはふるさと納税の返礼品に「蓋井島特撰品極一級ヒジキ」として採用されるようになったことが報告されました。 地域の自慢できる活動や課題についてグループディスカッション全国共済水産業協同組合連合会(JF共済)による情報提供に続いて行われたのは、「みんなの想いを声に出そう!~笑顔になれる活動を自慢しよう!~」をテーマにしたグループディスカッション。参加者が6グループに分かれ、自らの地域の自慢できる活動や課題、他地域のすごいと思える活動について、それぞれ議論し、グループごとに発表しました。 東海大学人文学部の関いずみ教授テーマについて議論した後、グループごとに発表しました発表では、各地でさまざまな女性部活動が行われていることが報告されたほか、課題となっている部員の確保に向けては、「活動紹介の動画をつくってみてはどうか」などの意見が挙がりました。コーディネーターとして参加した東海大学人文学部の関いずみ教授は、「各地で、たくさんの活動が行われているので、皆さんにはそれぞれの取り組みをPRしてほしい。また、毎年3月頃に開催される全国青年・女性漁業者交流大会でも発表してほしい」と話しました。 食育JF全漁連漁協(JF)漁師女性活躍研修女性部JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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JF北海道ぎょれん×コープさっぽろが、 魚函を素材とした「買い物カゴ」販売この情報は、北海道漁業協同組合連合会(JF北海道ぎょれん)からの提供です。 SDGsが掲げる目標のひとつである環境問題に対する取り組みです。 * * * 2022年7月4日(月)、JF北海2022.8.17JFレポート全国の漁連・漁協
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