第30回全国青年・女性漁業者交流大会を開催 農林水産大臣賞ほか各賞を決定

JF全漁連は3月4日、5日の2日間、都内のAP日本橋で「第30回全国青年・女性漁業者交流大会」(協賛:JF全国女性連・JF全国漁青連、後援:農林水産省ほか)を開催し、農林水産大臣賞、水産庁長官賞などの各賞を決定しました。

漁業関係者で会場は満席に

全国青年・女性漁業者交流大会とは

年に一度開催する交流大会は、全国の青年・女性漁業者が日ごろの研究・実践活動の成果を発表する場であるとともに、参加者間の交流により知識や情報を共有・進化させることで、水産業・漁村の発展と活性化に資することを目的としています。

また、水産業・漁村の発展・活性化のための技術・知識などを研鑽する場でもあるため、業界では「漁師の甲子園」とも呼ばれています。

本大会は農林水産祭参加表彰行事でもあり、農林水産大臣賞受賞者は、次年度の農林水産祭天皇杯などの候補になります。

参加者は日ごろの研究・実践活動の成果を発表

1日目は5部門に分かれて発表

2日間のうち初日は、全国各地からエントリーした漁業者たちが、①資源管理・資源増殖部門、②漁業経営改善部門、③流通・消費拡大部門、④地域活性化部門、⑤多面的機能・環境保全部門の5つの部門に分かれて発表を行い、各部門で3人の専門家が審査委員として審査を行いました。

各部門の会場では、審査委員をはじめ、発表に来場者が真剣に耳を傾ける姿があり、具体的な質問や応答も飛び交いました。

各分科会での発表模様

2日目は各部門の講評と農林水産大臣賞受賞作品の発表・表彰

2日目は各部門の審査委員から農林水産大臣賞が発表され、併せて講評が述べられました。
続いて、農林水産大臣賞の5部門の受賞者が登壇し、受賞した取り組みについて改めて発表しました。

農林水産大臣賞受賞作品の研究・実践活動を発表する受賞者

農林水産大臣賞に選ばれたのは以下の皆さんです(敬称略)。

【第1分科会 資源管理・資源増殖部門】
「未来に向けてイセエビの資源管理を振り返る -綿糸網に紡いできた太海の思い-」
鴨川市漁業協同組合 太海エビ網組合

【第2分科会 漁業経営改善部門】
「ブランドをつくる! -若武者の挑戦- 」
浪井丸天水産 代表 浪井大喜

【第3分科会 流通・消費拡大部門】
「漁師の会社 (同)大兵食品 -漁師による6次産業化の取組-」
合同会社 大兵食品

【第4分科会 地域活性化部門】
「『シロエビが育む地域の未来』 -サステナブルな漁業による地域活性化-」
新湊漁協青年部 野口和宏(富山湾しろえび倶楽部)

【第5分科会 多面的機能・環境保全部門】
「離島水産業の3つの課題 -島の漁師は何でもやる-」
ひやま漁業協同組合 青年部 奥尻支部

各部門の農林水産大臣賞受賞者

審査委員長をつとめた東京海洋大学の馬場治名誉教授は「海洋環境の変化が著しい中、発表者からは改善を図ろうとする意欲が伺えた。全国では多様性のある漁業が営まれており、この多様性こそが日本の食を支えている。その日本食を楽しむために多くの外国人が来日しているが、沿岸漁業が衰退すれば、インバウンドの需要に応えられなくなる。小さな成果と思わずに今後もさまざまな取り組みを継続していただきたい」と大会を総括しました。

講評を述べる馬場審査委員長

全国水産・海洋高等学校生徒研究発表大会最優秀賞作品の発表

全国水産・海洋高等学校生徒研究発表大会で最優秀賞を受賞した新潟県立海洋高等学校 水産資源科資源育成コースの生徒さんが受賞作品の「『越後Wineヒラメ』の開発プロジェクト2023-2024~飼料づくりから始まる、海洋高校産養殖ヒラメのブランド化を目指して~」を発表しました。

新潟県立海洋高等学校水産資源科資源育成コースの生徒による受賞内容の発表

各賞発表&表彰式

最後に農林水産大臣賞のほか、水産庁長官賞、農林中央金庫理事長賞など各賞が発表され、各賞受賞者の代表者に表彰状が贈呈され、2日間にわたる交流大会は幕を下ろしました。

各賞受賞の代表者に表彰状を贈呈

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▶全国青年・女性漁業者交流大会の特設ページはこちら

  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

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