JFレポート JF全漁連とJTB、担い手不足解消のマッチング事業開始~ぜんぎょれん八戸食品でスタート~ 2022.4.28 JF全漁連編集部 印刷する ぜんぎょれん八戸食品の工場内JF全漁連と旅行業界大手の株式会社JTBは、水産業の労働力確保に向けた連携を開始し、2022年4月からJF全漁連の子会社である「ぜんぎょれん八戸食品株式会社」(青森県八戸市)で具体的な取り組みをスタートしました。 * * * ぜんぎょれん八戸食品の人手不足解消に向け導入ぜんぎょれん八戸食品は、水産物の冷凍加工、保管、販売などを行っているJF全漁連の子会社。イカやサバをメインに、国産水産物を使った商品を製造。その商品は全国の生協などで販売されています。 近年、同社は社員の高齢化や若手人材の確保に難航し人手不足が続いていました。 そのような実情を知ったJF全漁連は、2021年度からJTBとJA全農が取り組み、農業分野で一定の成果が上がっている「労働者と雇用契約を結び、企業へ派遣するマッチング事業」の漁業版をぜんぎょれん八戸食品に提案。同社の快諾を得て、2022年4月から取り組みをスタートすることにしました。 JTBが労働者と雇用契約を結び、ぜんぎょれん八戸食品に労働力を提供同事業は、JF全漁連が「全国漁業者経営相談センター※」のスキームを活用して、JA全農を通じてJTBにマッチング事業を依頼。JTBが希望する労働者と雇用契約を結び、ぜんぎょれん八戸食品に労働力を提供します。一方、ぜんぎょれん八戸食品は作業内容や請負金などを協議し、JTBと契約を結びます。 このマッチング事業は、労働者として、コロナ禍で深刻な影響を受けている観光業界や飲食業界、長期休暇中の大学生らを想定したもので、旅行先や観光地で仕事をしながら観光や遊びも楽しむ「ワーケーション」をする人たちも視野に入れて行われています。 JF全漁連の担当者は「地元労働者が派遣されることが原則となるこの仕組みが農業分野に留まらず水産業への門戸が開き各地で活用されれば、漁業振興や地域活性化だけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)※への取り組みにもつながるものだと期待しています」と語ります。 ※SDGs(持続可能な開発目標)のうちの、目標8「働きがいも経済成長も」、目標12「つかう責任つくる責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」 ▶農林水産省WEBサイト「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット」 受入後は初心者でも取り組みやすい作業から業務開始ぜんぎょれん八戸食品での受け入れは4月11日に八戸市内の主婦1人から始まりました。初日は、初心者でも取り組みやすい3枚におろした状態のサバから小骨などを取り除く作業に励みました。今後も週に数回のシフトで働く予定だそうです。 同社の石川勝巳社長は「水産加工場になじみの少ない若い人が来てくれれば、活気につながる。地域全体で盛り上がっていく一助になれば」と、この事業に期待を寄せています。 * * * 全国漁業者経営相談センターとはJF全漁連と農林中央金庫が2021年1月に立ち上げた仕組み。漁師や漁協のニーズの掘り起こしやビジネスマッチングの支援、各県で金融窓口を担うJFグループに対し、漁業経営に役立つ知識を持ったコンサルタントを派遣するなど、漁業者の経営サポートに関するさまざまな業務を行っています。 ▶全国漁業者経営相談センターWEBサイト 全国漁業者経営相談センター(出典:JFマリンバンクWEBサイト)▶Sakanadia関連記事 全国漁業者経営相談センターの取り組み 「経営の未来考えてますか?「事業承継」を学ぶ漁師―漁業経営をサポートするJFグループの取り組み」 JF全漁連漁協(JF)JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
大臣賞など決定!「浜プラン」で所得UP「浜の活力再生プラン」、通称「浜プラン」は地域ごとの特性を踏まえて、漁師や漁協(以下JF“じぇいえふ”)、市町村などでつくる組織(地域水産業再生委員会)が自ら立てる取組計画。 その地域の人たちが自分た2020.3.25JFレポートJF全漁連編集部
ポストコロナ時代における魚食の方向性探る ―水産庁シンポジウム「おさかな進歩2020」レポート―水産庁が2012年8月から開始した「魚の国のしあわせ」プロジェクト。これは、漁業者、水産関係団体、流通業者、食品製造業者、行政など、水産物に関わるあらゆる関係者が一体となって行う魚食普及の取り組みです2020.9.28JFレポートJF全漁連編集部
将来の漁協職員が水産庁長官に会ってきた!漁協職員を養成する全国漁業協同組合学校(以下、組合学校)の学生たちは、11月27日、水産庁長官の特別講義を受講しました。 組合学校は、漁協職員を養成する学校で、漁協職員として必要なスキルや資格の取得、2020.12.2JFレポートJF全漁連編集部
淡路水交会「漁業者による森づくり活動」 淡路島内漁業関係者など70名がウバメガシを植樹このコラムは、兵庫県漁業協同組合連合会(JF兵庫漁連)の広報誌『拓水』No.782(2021年12月発行)に掲載されたものです。 * * *2022.2.16JFレポート全国の漁連・漁協
令和3年度農山漁村女性活躍表彰、水産業から1人1団体が入賞~未来農業DAYs 2022~「農山漁村女性活躍表彰」とは、農山漁村男女共同参画推進協議会が事務局となり、女性が農山漁村でいきいきと活躍できる環境づくりに資することを目的に、女性活躍推進のために優れた活動を行っている個人や団体の方2022.3.30JFレポートJF全漁連編集部
組合学校が現地研修、サバのブランド化など漁協のとりくみを学ぶ漁協(JF)職員を養成する全国漁業協同組合学校(以下、組合学校)が、9月16日~18日、静岡県内の漁業協同組合(JF)などで研修を実施しました。 実習に参加したのは、組合学校2020年度第81期の学生2020.10.9JFレポートJF全漁連編集部