JF全漁連とJTB、担い手不足解消のマッチング事業開始~ぜんぎょれん八戸食品でスタート~

ぜんぎょれん八戸食品の工場内

JF全漁連と旅行業界大手の株式会社JTBは、水産業の労働力確保に向けた連携を開始し、2022年4月からJF全漁連の子会社である「ぜんぎょれん八戸食品株式会社」(青森県八戸市)で具体的な取り組みをスタートしました。

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ぜんぎょれん八戸食品の人手不足解消に向け導入

ぜんぎょれん八戸食品は、水産物の冷凍加工、保管、販売などを行っているJF全漁連の子会社。イカやサバをメインに、国産水産物を使った商品を製造。その商品は全国の生協などで販売されています。
近年、同社は社員の高齢化や若手人材の確保に難航し人手不足が続いていました。
そのような実情を知ったJF全漁連は、2021年度からJTBとJA全農が取り組み、農業分野で一定の成果が上がっている「労働者と雇用契約を結び、企業へ派遣するマッチング事業」の漁業版をぜんぎょれん八戸食品に提案。同社の快諾を得て、2022年4月から取り組みをスタートすることにしました。

JTBが労働者と雇用契約を結び、ぜんぎょれん八戸食品に労働力を提供

同事業は、JF全漁連が「全国漁業者経営相談センター※」のスキームを活用して、JA全農を通じてJTBにマッチング事業を依頼。JTBが希望する労働者と雇用契約を結び、ぜんぎょれん八戸食品に労働力を提供します。一方、ぜんぎょれん八戸食品は作業内容や請負金などを協議し、JTBと契約を結びます。
このマッチング事業は、労働者として、コロナ禍で深刻な影響を受けている観光業界や飲食業界、長期休暇中の大学生らを想定したもので、旅行先や観光地で仕事をしながら観光や遊びも楽しむ「ワーケーション」をする人たちも視野に入れて行われています。
JF全漁連の担当者は「地元労働者が派遣されることが原則となるこの仕組みが農業分野に留まらず水産業への門戸が開き各地で活用されれば、漁業振興や地域活性化だけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)※への取り組みにもつながるものだと期待しています」と語ります。

※SDGs(持続可能な開発目標)のうちの、目標8「働きがいも経済成長も」、目標12「つかう責任つくる責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」
農林水産省WEBサイト「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット」

受入後は初心者でも取り組みやすい作業から業務開始

ぜんぎょれん八戸食品での受け入れは4月11日に八戸市内の主婦1人から始まりました。初日は、初心者でも取り組みやすい3枚におろした状態のサバから小骨などを取り除く作業に励みました。今後も週に数回のシフトで働く予定だそうです。
同社の石川勝巳社長は「水産加工場になじみの少ない若い人が来てくれれば、活気につながる。地域全体で盛り上がっていく一助になれば」と、この事業に期待を寄せています。

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全国漁業者経営相談センターとは

JF全漁連と農林中央金庫が2021年1月に立ち上げた仕組み。漁師や漁協のニーズの掘り起こしやビジネスマッチングの支援、各県で金融窓口を担うJFグループに対し、漁業経営に役立つ知識を持ったコンサルタントを派遣するなど、漁業者の経営サポートに関するさまざまな業務を行っています。
全国漁業者経営相談センターWEBサイト

全国漁業者経営相談センター(出典:JFマリンバンクWEBサイト)
  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

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