第22回JF全国女性連フレッシュ・ミズ・プログラムをオンライン開催

漁村の女性がおよそ20人がオンラインで参加しました

JF全漁連は11月5日、「第22回JF全国女性連フレッシュ・ミズ・プログラム」をオンライン開催しました(共催:JF全国女性連)。

JF全国女性連は、漁村女性の地位向上を目指した活動を展開している漁協(JF)女性部の全国組織。このプログラムは、若手の漁協女性部員および漁村女性が将来の女性部活動を担うべき人材となるための一助として、毎年開催しています。

今年も新型コロナ感染症対策のため、昨年同様オンラインでの開催となり、若手を含む漁村女性およそ20人がオンライン参加しました。
今回の研修テーマは「スタディ Fish ~地域の食を守るのは私たち~」。漁村女性の優良事例報告やレシピづくりに関する講演、参加者全員での意見交換などが行われました。

屋久島のさかなの魅力を発信し、地元漁業に貢献

「屋久島いお結び」の川東繭右さん

最初に事例発表したのは、第26回全国青年・女性漁業者交流大会で水産庁長官賞とJF共水連会長賞をW受賞した「安房漁業集落 屋久島いお結び」の川東繭右(まゆう)さん(おさかなマイスターアドバイザー、水産庁長官任命「お魚かたりべ」、鹿児島県の指導漁業士)。「屋久島のさかな魅力発信プロジェクト~人と地域と魚を結ぶ~」と題して、鹿児島県屋久島における魚食普及活動の取り組みなどについて紹介しました。

川東さんは、一般企業勤務を経て、2011年に屋久島に移住。「島の人にもっと地魚を食べてほしい」との想いから、2014年に魚食普及活動を開始し、2018年に地魚を使ったケータリングやお弁当の販売、鮮魚販売の仲介などを行う「屋久島いお結び」を開業しました。

「屋久島いお結び」では、料理教室を開催することなどによる魚食普及活動、レシピの制作、FacebookやYouTubeを使った情報発信などを積極的に展開。その結果、地魚を家庭や学校給食で食べる機会が増え、地元漁業の発展に貢献しています。

屋久島いお結びのメディア
Facebook=屋久島おさかなnetはこちら
YouTube=屋久島フードログ Yakushima FoodLog

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女性も男性も輝く職場づくりに向けて

有限会社グリーンハウスの取締役である松村孝子さん

続いて、事例発表を行ったのは、2020年度農山漁村女性活躍表彰の女性活躍経営体部門で農林水産大臣賞を受賞した(有)グリーンハウス(山口県山陽小野田市)の取締役である松村孝子さん。「男女(とも)に輝く農業界のトップランナーを目指して!」をテーマに、女性が気持ちよく安心して長く働くことができる職場環境づくりについて紹介しました。

同社では、女性が働きやすい職場環境を目指し、子どもの病気や家族の介護、学校行事などでも気兼ねなく休みを取得できるよう声かけをするほか、女性社員が育児や介護の休業後、安心して職場復帰できるよう、育児・介護休業規定の策定などに着手。さらに、女性社員も男性社員と同様に多方面から適正に評価する仕組みの導入や、女性の視点を活かしてGAP(農業生産工程管理)に取り組むことなどにより、経営改善を図りました。

その結果、女性社員のモチベーションが上がり、以前と比べ長く勤める人が増加しただけでなく、やる気のある若者の積極的な雇用にもつながりました。

有限会社グリーンハウスのWEBサイトはこちら

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料理のプロが教える「レシピづくりのコツ」とは?

(株)服部クッキングの高野知佳子さん

講演は、(株)服部クッキングの高野知佳子さんが「レシピで『おいしい』を伝えよう」と題して、料理のレシピの分かりやすい書き方やおいしそうに見える盛り付け方法などを紹介しました。

料理のレシピについては、「料理名は相手がその料理をイメージしやすい名前にすることが基本」と語り、分かりやすい作り方の書き方として、①手順に沿って書く(時系列)、②文章はなるべく簡潔にする、③3工程~4工程でできることが望ましい、④イラストや写真を入れる―などを挙げました。

おいしそうな盛り付けについては、配色が料理に大きな影響を与えることを紹介した上で、「器の大きさは盛りつける料理の分量や大きさを把握して決める」、「天盛り、トッピングは、その料理に足りない色をプラスするのがポイント」と紹介しました。

実際に盛り付けされた海鮮丼

その後、これまでの説明を踏まえて、実際のお刺身などを使った海鮮丼の盛りつけが行われ、盛り付けのポイントとして、「丼を4つのブロックに分けること」などを紹介しました。

(株)服部クッキングのWEBサイトはこちら

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「今、考えていること」などについて参加者全員で意見交換

コーディネーターの関いずみ先生

最後に、「今、考えていること。思っていること。ざっくばらんに話してみよう!」と題して、参加者全員で意見交換が行われました。コーディネーターは、東海大学海洋学部教授・関いずみ先生が務め、コロナ禍における魚食普及活動や、これからの女性部活動・地元の活動などについて、参加者からざっくばらんに意見を聞きました。

コロナ禍における魚食普及活動については、多くの参加者から開催できていない現状が報告され、今後の活動については「小規模なものでもよいので再開させていきたい」という思いが伝えられました。ただ、いざイベントを再開するにしても「部員が集まるかどうか」「新型コロナウイルス感染症対策をどこまでやればよいか」などの課題や不安の声が挙がりました。

JF全国女性連の荒木直子会長は、「このフレッシュ・ミズ・プログラムのように、オンラインでの会合なども利用し、途切れることなく繋がり続けていくことが重要。次の世代へしっかりバトンタッチできるようにともに頑張っていきたい」と女性部活動の再開に向けての意欲を語りました。

これらのほか、水産庁が「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」と「女性活躍のための実践活動支援事業」について、JF共水連が「介護共済」について、JF全漁連が「わかしおせっけん」について、それぞれ情報提供しました。

JF全国女性連の荒木直子会長

これらのほか、水産庁が「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」と「女性活躍のための実践活動支援事業」について、JF共水連が「介護共済」について、JF全漁連が「わかしおせっけん」について、それぞれ情報提供しました。

  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

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