JFレポート 組合学校が漁協見学、都市型漁業・漁協の取り組みを学ぶ 2022.9.9 JF全漁連編集部 印刷する 2022年度 横浜市漁協見学研修(撮影のためマスクを外しています)漁業協同組合(JF)職員を養成する全国漁業協同組合学校(組合学校)が、晴天に恵まれた2022年5月18日(水)に万全の新型コロナウイルス感染症対策を講じ、今期初めてとなる見学研修のため横浜市漁業協同組合(JF横浜市)へ訪問しました。参加したのは、今年4月に組合学校に入学した8人の学生たち。 ▶将来のJFを担う8人が入学 全国漁業協同組合学校2022年度 第83期 入学式 はじめに、漁協の取り組みや漁協職員について学ぶ左から、松澤前参事、黒川組合長はじめに、学生たちはJF横浜市の黒川和彦代表理事組合長の講演を聴講しました。黒川代表理事組合長は海苔養殖業を営む漁師でもあります。 首都圏に位置するこの地区では、ノリやシャコ・アナゴの漁が古くから盛んな地域ですが、環境の変化により近年の漁獲量が激減しています。資源管理について、どのように行われているのかを説明を受けました。 そして、黒川組合長は、学生に対し「10の事を10やればいいのではなく、時には意見のぶつかり合いをしながら自身の能力を伸ばしてほしい。また、漁業者が減っている原因として、安定した収入がないことが挙げられる。安定した収入を作るように努めていくことが、漁協職員としての仕事でもある。頑張ってほしい」と社会人としての心構えを伝えました。 また、松澤昭彦前参事からは「組合の務めは漁業者のサービスの向上である。そのため、ホウ・レン・ソウをしっかりすることが大切。また努力は見ている人は見てくれている。いずれ評価に繋がってくるのでしっかり取り組んでいってほしい」とアドバイスしました。 メモを取る学生たち(JF横浜市会議室)講演は、これから漁協職員を目指す学生たちにとって、とても良い刺激になったようです。 * * * 次に、JF横浜市の荷捌き施設、海苔加工場を見学JF横浜市の荷捌き施設を見学座学による概要説明の後は、JF横浜市の荷捌き施設にて選別作業を見学しました。最近の水揚げはタチウオ、タイ、アジ類、スズキ類が占めており、立派なサイズの魚が水揚げされていました。 次に、100年以上も続く伝統的なノリの産地として有名な横浜市金沢区の野島町へ移動し、海苔加工施設を見学しました。 海苔加工場を見学。右、緑川店長こちらの海苔加工場では、ノリの種付けから製品を販売に至るまでの一連の流れを行っています。緑川店長がノリ加工に使うたくさんの機材を紹介しました。そして、ノリは、クロダイやアイゴなどの魚による被害だけでなく最近ではカモによる鳥の被害も受けており、今年の生産量は例年に比べ1/3程度まで激減している状況についても説明を受けました。 また、海苔加工場に併設している直売所の忠彦丸海苔本店では、お客様に野島のノリについて知っていただくために、ノリが種付けから製品として作られるまでの工程をまとめた冊子を作成し店内に設置しています。 冊子に目を通す学生学生たちは、伝統ある野島産のノリがどのように作られているのかを学ぶことができました。 黒川組合長のお店「忠彦丸」にて記念撮影(撮影のためマスクを外しています)この研修を通じて、学生からは「漁業者の収入を安定させることが、組合の務めであり、そうした仕事を作ることが必要であるという、黒川組合長のお話が一番印象に残りました」「新たな目標が生まれました」などの感想があがりました。見学研修を終えた北海道、愛媛県出身の83期生は、地元とは違う都市型漁業・漁協の取り組みを学び、また漁業の現状や課題を直接聞くことができ、大変勉強になったようです。 * * * 組合学校、2023年度の学生募集中組合学校は漁協職員養成に特化した1年制の学校。学生が知識やスキルの習得に励んでいます。 Sakanadia関連記事 ▶JF職員の養成学校「全国漁業協同組合学校」、2023年度の学生募集開始 組合学校漁協(JF)漁師JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
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