今すぐに確認して!漁協女性部が教える「防災チェックシート」

九州・西日本へと拡大している記録的な豪雨で、多くの方が被害にあわれています。
テレビなどの映像で伝わる被害の様子を見るたびに、ただただみなさんの無事を祈ることしかできません。
長引く不安の中ですが、どうか心折れず生きるための行動をとってほしいと、心から願います。

自然の驚異を前に、テレビや新聞でただ情報を追うことしかできない無力さを実感していますが、Sakanadia編集部として、何か有益な情報を提供することができないかと考え、JFグループの災害対策の取り組みの一つをご紹介させていただきたいと思います。

今まさに渦中にいる皆さんのヒントになることが、何か一つでもあれば、という願い。それから、全国の皆さんに今すぐにでも備えてほしいという願いを込めて。

災害の経験から「本当に必要な備え」を考える

2020漁協女性部手帳

全国の漁協女性部が加盟する「JF全国女性連」(漁協女性の全国組織)が、毎年発行している「漁協女性部手帳」というものがあります。

スケジュール帳としてだけでなく、漁業の現場で役立つ情報や、女性活躍に関する情報が掲載されているこの手帳ですが、数年前から「緊急時に備えよう!!防災チェックシート」のページができました。

これは、9年前の東日本大震災を経験した漁協女性部(漁村女性)のみなさんのご意見を参考に作成したものだそうです。

あのとき、本当に必要だったモノ・必要だった知識は何だったのか。
「ポイント」とともに一覧になっています。

▶「防災チェックシート」は、この記事の最後にあります。ダウンロードをしてご活用ください。

今すぐできる「備え」を確認して

チェックシートには、持ち出し品や、避難生活に必要な備品などのリスト、避難生活に役立った漁業のアイテム・知恵などが掲載されています。

特徴的なのが、「ポイント」の項目。あの時突然おとずれた非日常に、漁協女性部のみなさんがいかにして対応したのかが読み解けます。
今から準備できることも書かれていました。

例えば、避難中の炊き出しのシーンで、

☆ガスやコンロでのご飯の炊き方や、おにぎりの作り方はわからない人もいます。

——確かに、ガスコンロでご飯を炊くことは遠い昔小学校の家庭科の授業でちょっとやったことがあるぐらい。ほとんどの人が炊飯器でしかご飯を炊けないのではないでしょうか。
「電気がない」という異常な状況での対応力が求められます。
これは、停電などの発生時、在宅避難中にも役立つ力です。
ためしに、今夜のご飯をガスコンロで炊いてみる。それだけで、「ああ、やっててよかった」と思うことがあるかもしれません。

また、こんな初歩的なことがとても大事だったりします。

☆出かけるときの家族の予定確認などが重要です。

——身近すぎておろそかにしてしまう家族への連絡。どこに行ったか分からない家族を探すために、自分が被害にあってしまう。いくつもの避難所を探し回らなければならなくなる。さまざまな事態が想定されます。
「自分の命は自分で守る」とは言っても、やっぱり家族の安否は気になってしまう。大切な人に、命を守ってもらうために、今日、今から自分の居場所や予定を伝えておきましょう。

先人の知恵をかりて、今に活かす

チェックシートの最後に気になる一文が。

「女性がもつ第六感を大切に。何か気になるなと思ったら言葉に出してみましょう!」。

そう。これも大切ですよね。気になることに目をつぶってしまい、「あの時ああしておけばよかった」なんて、後悔したくない。
近年、毎年のように起こる自然災害。予想をはるかに超える被害が起こっています。
大きな自然を相手に、私たちができることは限られていますが、防災チェックシートや経験者のアドバイスを参考にして、モノと知識を備えておくことができます。

もちろんコロナ禍における特別な対応も必要になっています。すべてが“前と同じ”では対応しきれません。
先人の知恵を借りつつ、情報を更新し、自分で考える力をつけることも大切かもしれません。

 

JF全国女性連公式ホームページ

  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

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