日本の漁師たち JF全国漁青連が日本文化を学ぶカルチャースクールで魚食普及 —富山湾のシロエビ漁と漁師文化を発信— 2021.11.12 JF全漁連編集部 印刷する 富山県からオンラインで講演する野口和宏さんJF全国漁青連 理事の野口和宏さんは10月24日、日本の過去から今を体系的に学ぶカルチャースクール「令和アカデミー俱楽部」の講座で、地元富山湾の漁業や文化を紹介しました。 講座には、令和アカデミー俱楽部の会員をはじめ、料理人など、食や魚に興味がある方16人が出席。新型コロナウイルス感染症対策のため、野口さんは地元からオンラインで登壇しました。 持続可能な日本の漁業・若手漁師の思いを発信野口さんは、富山県の新湊漁業協同組合(JF新湊)に所属し、シロエビ漁などを行う現役漁師。仲間とともに、富山湾の持続可能なシロエビ漁を発信する「富山湾しろえび俱楽部」を立ち上げ、精力的に活動しています。 JF新湊しろえび漁におけるプール制について(野口さんの講演資料より)今回の講座では、JF新湊がシロエビの資源保護のために行っている「完全プール制」という操業の仕組みを説明。 「富山湾しろえび倶楽部」の取り組みの一つである観光船の様子を紹介する動画を放映し、持続可能な漁業の生産現場を紹介しました。 先人から息づく海への「畏れ」、そして「感謝」(野口さんの講演資料より)さらに、「先人から息づく 海への『畏れ』。そして『感謝』」と題して古くから続く漁村の信仰や神事・祭事、独特の食文化にも触れ、「豊かな海が変わらない」ことへの願いは先人から受け継がれた普遍的なものであることにも言及しました。 全国の青年漁業者のSDGsへの取組について(野口さんの講演資料より)このほか、漁業者が行う自主的な資源管理と、JF全国漁青連がSDGsや気候変動について学んでいることを紹介し、「漁師が魚を獲るだけの時代は終わった!」と、漁師のイメージを刷新するような言葉で締めくくりました。 富山県産のシロエビ堪能、活発な意見交換へ参加者の質問に答える野口さん講座の途中、日本橋とやま館の協力により、富山湾産のシロエビの昆布締めなどの試食も実施。参加者は、富山湾のシロエビのストーリーとともに、味も堪能しました。 講座終盤の意見交換の時間には、参加者から、「漁師が資源を守るためにこんな取り組みをしていることを初めて知った」との感想が寄せられたほか、料理人からは「シロエビの美味しい食べ方は?」「東京では冷凍で流通しているのか」など技術的な質問が飛び交いました。 ▶プライドフィッシュ公式サイト「富山湾のシロエビ」はこちら 今回の講座は、日本の食文化のさらなる発展を目指した白鶴酒造様の「笑顔でつなごう! みんなの「まる」キャンペーン」による寄付を活用し実施しました。 ▶「若手漁師の「魚食普及活動」にご支援をいただきました!」 【野口さんの関連記事】 ▶伝統のシロエビ漁でガッチリ稼ぐ【前編】富山湾のUターン漁師 ▶伝統のシロエビ漁でガッチリ稼ぐ【後編】“漁師嫌い”から親方へ 食育漁協(JF)SDGs漁師資源管理プライドフィッシュ北陸青年部JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
女性部活動の活性化のヒントなどを紹介―第27回全国女性漁業者グループリーダー研究集会を開催―JF全漁連は10月22日、「第27回全国女性漁業者グループリーダー研究集会」をオンライン開催しました(共催:JF全国女性連)。 JF全国女性連は、漁協(JF)女性部の全国組織で、環境保全活動や魚食普及2021.11.18日本の漁師たちJF全漁連編集部
鹿児島の若手漁師のリアルな話! 東京の小学生にオンライン出前授業漁業協同組合青年部の全国団体であるJF全国漁青連は12月16日(金)、東京・江戸川区立清新ふたば小学校の小学5年生を対象に、オンライン出前授業を行いました。 JF全国漁青連は毎年、東京・練馬区立春日小2022.12.27日本の漁師たちJF全漁連編集部
JF全国漁青連が東京・練馬区立春日小学校で出前授業—今年で5年目漁業協同組合青年部の全国団体であるJF全国漁青連は10月19日、練馬区立春日小学校で出前授業を実施しました。 春日小学校での出前授業は今年で5回目。昨年に続き中村清作会長、川畑友和副会長、平山孝文顧問2021.11.10日本の漁師たちJF全漁連編集部
【全国漁青連】若手漁師が水産庁長官とオンラインで意見交換JF全国漁青連※は6月25日、水産庁長官とオンライン意見交換会を実施しました。参加したのは、中村清作さん(全国漁青連会長・滋賀県JF海津所属)、川畑友和さん(同副会長・鹿児島県JF山川町所属)、平子正2021.7.12日本の漁師たちJF全漁連編集部
伝統のシロエビ漁でガッチリ稼ぐ【後編】“漁師嫌い”から親方へ頼もしい親方としての野口さんの姿からは想像できない言葉だったが、子どものころは漁師になりたいと一度も思ったことがなかったという。潮の臭さや、魚しか出ない食卓、休みの日まで網仕事をする几帳面な父の姿。そ2019.11.14日本の漁師たちJF全漁連編集部
長崎のポジティブ漁師、明日の漁業を照らす長崎県長崎市野母(のも)半島で定置網を経営する平山孝文さん(46歳)。浜に出ると、地域の人たちが笑顔で話し掛けてくる。水揚げが終わり、陸に上がると「よく働くなぁ」と先輩たちが寄ってくる。 人生の先輩方2020.3.12日本の漁師たちJF全漁連編集部