JF全国漁青連が日本文化を学ぶカルチャースクールで魚食普及 —富山湾のシロエビ漁と漁師文化を発信—

富山県からオンラインで講演する野口和宏さん

JF全国漁青連 理事の野口和宏さんは10月24日、日本の過去から今を体系的に学ぶカルチャースクール「令和アカデミー俱楽部」の講座で、地元富山湾の漁業や文化を紹介しました。

講座には、令和アカデミー俱楽部の会員をはじめ、料理人など、食や魚に興味がある方16人が出席。新型コロナウイルス感染症対策のため、野口さんは地元からオンラインで登壇しました。

持続可能な日本の漁業・若手漁師の思いを発信

野口さんは、富山県の新湊漁業協同組合(JF新湊)に所属し、シロエビ漁などを行う現役漁師。仲間とともに、富山湾の持続可能なシロエビ漁を発信する「富山湾しろえび俱楽部」を立ち上げ、精力的に活動しています。

JF新湊しろえび漁におけるプール制について(野口さんの講演資料より)

今回の講座では、JF新湊がシロエビの資源保護のために行っている「完全プール制」という操業の仕組みを説明。
「富山湾しろえび倶楽部」の取り組みの一つである観光船の様子を紹介する動画を放映し、持続可能な漁業の生産現場を紹介しました。

先人から息づく海への「畏れ」、そして「感謝」(野口さんの講演資料より)

さらに、「先人から息づく 海への『畏れ』。そして『感謝』」と題して古くから続く漁村の信仰や神事・祭事、独特の食文化にも触れ、「豊かな海が変わらない」ことへの願いは先人から受け継がれた普遍的なものであることにも言及しました。

全国の青年漁業者のSDGsへの取組について(野口さんの講演資料より)

このほか、漁業者が行う自主的な資源管理と、JF全国漁青連がSDGsや気候変動について学んでいることを紹介し、「漁師が魚を獲るだけの時代は終わった!」と、漁師のイメージを刷新するような言葉で締めくくりました。

富山県産のシロエビ堪能、活発な意見交換へ

参加者の質問に答える野口さん

講座の途中、日本橋とやま館の協力により、富山湾産のシロエビの昆布締めなどの試食も実施。参加者は、富山湾のシロエビのストーリーとともに、味も堪能しました。
講座終盤の意見交換の時間には、参加者から、「漁師が資源を守るためにこんな取り組みをしていることを初めて知った」との感想が寄せられたほか、料理人からは「シロエビの美味しい食べ方は?」「東京では冷凍で流通しているのか」など技術的な質問が飛び交いました。

▶プライドフィッシュ公式サイト「富山湾のシロエビ」はこちら

今回の講座は、日本の食文化のさらなる発展を目指した白鶴酒造様の「笑顔でつなごう! みんなの「まる」キャンペーン」による寄付を活用し実施しました。

「若手漁師の「魚食普及活動」にご支援をいただきました!」

【野口さんの関連記事】
伝統のシロエビ漁でガッチリ稼ぐ【前編】富山湾のUターン漁師

伝統のシロエビ漁でガッチリ稼ぐ【後編】“漁師嫌い”から親方へ

  • JF全漁連編集部

    漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebook

    このライターの記事をもっと読む

関連記事