若手漁師が東京・練馬区立春日小学校で出前授業

漁業協同組合青年部の全国団体であるJF全国漁青連は10月20日、練馬区立春日小学校で出前授業を実施しました。

春日小学校での出前授業は本年で6回目。JF全国漁青連の川畑友和会長(鹿児島・定置網)、尾崎勇太副会長(北海道・定置網)、竹内大生副会長(石川・底びき網)、阿部誠二副会長(宮城・刺し網)の4人が、新型コロナウイルス感染症対策を行った上で、実際に学校を訪問しました。

JF全国漁青連の役員4人が講師として登壇しました

出前授業では、同校の5年生36人に、日本の漁業の特徴や漁師の一日、海を守る漁師の取り組みなどを写真や動画を使って説明したほか、川畑会長がカンパチの解体ショーを行い、児童らに漁業や魚、漁師の魅力を伝えました。

尾崎勇太副会長

初めに尾崎副会長が地元北海道での定置網漁の動画を流しながら、どのように漁が行われているかをわかりやすく説明しました。大量のサケが船に引き上げられると、児童からは歓声が上がりました。
さらに尾崎副会長は、漁網が切れた時に対処するロープワークを披露。児童たちは手際のよさに「すごい」と驚いていました。

竹内大生副会長

続いて、竹内副会長が底びき網漁について紹介し、多様な魚が獲れる面白さや、海洋環境が変化した影響で、大量のヒトデが網に入るなどの現状を説明しました。また、竹内副会長は底引き網漁で漁獲したナマコなどを加工し、付加価値をつけて販売する加工会社を経営していることを紹介し、漁業者の仕事の幅広さを伝えました。

川畑友和会長

川畑会長は、魚介類の産卵場として重要なアマモなどの藻場を造成する取り組みを紹介しました。藻場が減少していることが水産資源の減少の一因になっていることを説明し、「漁師の仕事は魚を漁獲することだけではない。藻場を維持・構築する取り組みを展開することでSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献している」と語りました。

その後、川畑会長は鹿児島県から直送したカンパチの解体ショーを行いました。間近で大きな魚が解体される様子に児童らは息をのみ、包丁が入るたびに感嘆の声が上がりました。

阿部誠二副会長

質問コーナーでは、児童たちから「いちばん好きな魚は?」「オスとメスの見分け方を教えてほしい」など、たくさんの質問があり、阿部副会長ほか講師たちが丁寧に回答しました。

質問コーナーでは児童からの質問に丁寧に回答しました

「1日の収入はどれぐらい?」との質問に対しては、講師たちが最高月収を打ち明ける一方、「自然が相手なので、全く魚が獲れない月もある。稼ぐためにはいつも勉強することが必要」と答えました。

最後に川畑会長が「漁師になりたいと思った人は?」と尋ねると多くの生徒たちが手を挙げていました。

  • JF全漁連編集部

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