札幌の子どもたちは漁師さんに興味津々!第32回「漁師さんの出前授業」が開催

この情報は、北海道漁業協同組合連合会(JF北海道ぎょれん)からの提供です。

*    *    *

北海道漁協青年部連絡協議会(道漁青連)とJF北海道ぎょれんは年に2回、共催で「漁師さんの出前授業」を実施しています。

この取り組みは、普段漁業に接する機会の少ない札幌の子どもたちに、道産水産物の魅力や漁師という職業を身近に感じてもらい、将来的な需要の拡大や漁業後継者の育成を図ろうと、2005年から始まりました。

本年は6月6日、札幌市立札幌小学校で5年生37名を対象に「第32回漁師さんの出前授業」を開催。以下、当日の様子をお伝えします。

教えて漁師さん! 仕事の内容や北海道の漁業

今回講師を務めたのは、道漁青連副会長・根室地区会長の横田和馬さんと釧勝地区会長の山﨑賢治さんのお二人。

初めに道漁青連創立60周年を記念して制作した動画「おいしいおさかなと漁師さんのきもち」を使って、北海道の漁業全般や若手漁師の想いを生徒たちに紹介しました。

続いて横田さんがホタテ漁、山﨑さんがコンブ漁、そして当日参加できなかった小樽地区会長の山森さんの刺網によるアンコウ・カスべ漁など、それぞれが着業する漁業について、動画を使い分かりやすく伝えました。

ホタテ漁について動画を見せながら説明する横田さん(右)とJF北海道ぎょれん指導教育部の鶴巻佑弥職員(左)
山﨑さんは札幌の子どもたちがスーパーに並ぶ袋詰めの昆布しか見たことがないだろうと、1等20kgの長切昆布を持参

そして、JF北海道ぎょれんの鶴巻佑弥職員からは、道内で水揚げされる主な魚種や漁法・漁具の特徴、環境資源を守るための漁師さんの取り組みなどを、定置網漁の模型や実際に用意した道具を使って紹介。

生徒たちの好奇心は留まることを知らず、時間がいっぱいになるまで講師の二人に質問をしたり、休憩時間にも用意された展示物に触れながら、漁業について積極的に学んでいました。

模型を使ってサケ定置網漁について説明。値段や大きさに生徒たちはびっくりしていました

教えて漁師さん! 漁師さんの食育とスゴ技

休み時間を挟んだ後半では、横田さんが漁師になるまでのいきさつや、一年を通しての着業魚種、エビ籠漁や秋サケ定置網漁などで一番忙しい時期の一日のスケジュールを説明したほか、横田さんが感じている海の変化についても言及。特に海洋ごみが増えていることについて触れ、普段の漁だけでなく、100年後も漁業を続けていけるようにと、漁師さんが将来に向けた環境問題や資源管理についても取り組んでいることを伝えました。

その後は生徒たちを2グループに分けて、横田さんが網の修繕作業、山﨑さんがロープワークを担当し、プロの技を披露。どんなに網を切り離しても、いとも簡単に直していく様子や、生徒みんなで力いっぱい引っ張っても緩まないロープの結い方など、普段の生活で目にすることのない漁師さんの技術に驚きの声があがっていました。

最後に設けられた子どもたちからの質問タイムでは、「握力はどれくらい強いですか?」、「今までで一番辛かったのはどんなときですか?」、「昆布を干しているときに動物に食べられたりしないのですか?」といったさまざまな質問が寄せられるなど、生徒たちは出前授業を通じて北海道の漁業や漁師さんへ強い関心を持ってくれたようでした。

当日は地元のテレビ局が取材に入り、出前授業の様子が夕方のニュースで放送されました

関連記事