JFレポート 組合学校が現地研修、サバのブランド化など漁協のとりくみを学ぶ 2020.10.9 JF全漁連編集部 印刷する 漁協(JF)職員を養成する全国漁業協同組合学校(以下、組合学校)が、9月16日~18日、静岡県内の漁業協同組合(JF)などで研修を実施しました。 実習に参加したのは、組合学校2020年度第81期の学生8名。 普段は、千葉県柏市にある校舎で座学を中心とした勉強をしていますが、今回は実際に漁協(JF)を訪れての現地研修です。 研修の様子をレポートします! ▶JF職員の養成学校「全国漁業協同組合学校」、2021年度の学生募集開始 小川(こがわ)漁協の6次産業化をまなぶ小川漁協の皆様と前日入りし、二日目の早朝から訪問したのは、静岡県焼津市にある、小川漁業協同組合(JF小川)。 「小川」は「こがわ」と読みます。 このJF小川は、女性職員が中心となって商品開発やマルシェなど新しい活動を行い、「小川」と名産の「サバ」の知名度アップをはかっています。 漁師の所得向上をめざす地域政策の「浜の活力再生プラン」では、その実績が評価され、水産庁長官賞を受賞しました。 ▶浜プラン.jp 「協力」が生んだ新企画!地域を変えた、サバの新たな可能性 たもすくい網漁業についての説明中まさに「漁師のため」に尽力する漁協職員の姿は、学生たちにとって、とても刺激になったことでしょう。 一方で、海の環境変化(黒潮の影響)で、昨年度よりゴマサバが獲れないという危機的状況に見舞われているそうです。 環境変化は、漁業にとっての大きな課題となっているようです。 ▶漁師がつくった“気候変動・災害マップ” 研究所や漁業学校も見学この日は他に、静岡県水産・海洋技術研究所と、静岡県立漁業学園を見学しました。 静岡県水産・海洋技術研究所にて、施設の屋上から静岡県水産・海洋技術研究所は、主に、水産生物の種苗生産など、静岡県の水産振興に寄与することを目的に研究を行う、県の研究所です。 施設内にある展示室では、研究成果や水産業を取り巻く豊かな海を紹介しており、まるで水族館のようでした。 静岡県立漁業学園にて、学園長と一緒に記念撮影静岡県立漁業学園は、国内唯一の大型漁船の幹部を目指せる職業訓練校として長年多くの漁業者を輩出しています。 漁船での集団生活を体に刻むための、さまざまな授業を行っていました。また実技授業が多く、訪問したその日はロープワークに真剣に取組んでいました。 静岡県立漁業学園機関部見学の様子定置漁船に乗船!生産現場の最前線を知る最終日は夜明け前から出動! 静岡県伊東市のいとう漁業協同組合(JFいとう)富戸支所を訪れ、定置網漁の体験をしました。 JFいとうの定置網漁体験、朝日と共に出港出港してから5分ほどで漁場に到着し、定置網にかかった魚を船に揚げていきます。乗組員のみなさんは、多少のうねりはなんのその。機敏に作業をします。学生一同、目を奪われてしまいました。 1時間ほどの漁で、シイラやカンパチ、サバなどさまざまな魚が水揚げされました。 * * * 漁から帰ると、今度はセリ場の見学です。 シイラを見て説明している学生(沖縄県内の現役漁協職員でもあります)この日定置網で揚がった魚がすでに市場に並んでいます。 8~9月の暑い季節は、「夏枯れ(なつがれ)」と言われ、さまざまな原因で魚が獲れにくくなります。この日も通常より魚が少なかったそうですが、どれも新鮮!とっても美味しそうでした! 「サバ男くん」で地域を元気に、JFいとうのとりくみ写真:第4回Fish-1グランプリ公式ホームページ(https://www.pride-fish.jp/F1GP/2016/news/f1.html)JFいとうでは、地元で水揚げされた新鮮なサバでつくった「サバ男くんすり身®」を使い、すり身事業も行っています。 サバ男くんすり身は給食食材として地元の学校給食に提供しているほか、一般にも販売しています。 サバ男くんすり身をつかった「いとうナゲット」は、Fish-1グランプリ2016 「国産魚ファストフィッシュ商品コンテスト」でグランプリを受賞しました。 若い世代にも気軽に地元の魚を食べてもらえるこの取り組みで、JFいとうは地域に活力を与えています。 JFいとう高田組合長を囲んで記念撮影ほかにも、JFいとう富戸支所ではダイビング施設も経営しており、漁業と観光業とを両立した新しいスタイルにも挑戦しているそうです。 さまざまな取り組みを行い、漁師の生活を支えるJFいとう。 最後に、高田組合長から学生たちに、「若い人の力で魚の魅力を伝えてほしい」とメッセージをいただきました! * * * 学生たちは、今回の研修で、今後漁協職員として漁師をサポートするためのさまざまなヒントを得られたのではないでしょうか。先進的な活動を行う現場を前に、いつも以上に目を輝かせていました。 【オフショット】定置網漁見学後、インスタ映えスポットにて(JFいとう)海にかかる虹組合学校漁協(JF)浜プラン研修魚市場定置網JF全漁連編集部漁師の団体JF(漁業協同組合)の全国組織として、日本各地のかっこいい漁師、漁村で働く人々、美味しいお魚を皆様にご紹介します。 地域産業としての成功事例や、地域リーダーの言葉から、ビジネスにも役立つ話題も提供します。 SakanadiaFacebookこのライターの記事をもっと読む
【コロナ対策】漁師の支援策まとめ―産直通販送料無料や休漁支援などこんにちは。JF全漁連広報・Sakanadia編集部です。 漁協の全国団体であるJF全漁連は、これまで新型コロナウイルス感染症による漁業への影響を全国的にヒアリングし、必要な支援策を国に対して提案して2020.7.15JFレポートJF全漁連編集部
これからの漁村を担う4人が入学 全国漁業協同組合学校2023年度 第84期 入学式漁協(JF)職員を養成する全国漁業協同組合学校(千葉県・柏市)は4月6日(木)、第84期生の入学式を行いました。 本年度は北海道から2人、三重県から2人の計4人が入学しました。 吉田博身校長は、新入生2023.4.27JFレポートJF全漁連編集部
第45回全国海の子絵画展、28作品が特別賞受賞JF全漁連が毎年3月に表彰式を開催している「全国海の子絵画展」。この絵画展は、小・中学生の皆さんが絵を描くことを通して、海に対する興味や、漁業に対する理解、夢をもって成長して欲しいという願いを込めて、2023.3.10JFレポートJF全漁連編集部
「漁師になりたい人、集まれ」 漁業就業支援フェア2020開催「漁師になりたい」、「漁業に興味・関心があり、就職したい職業の選択肢の一つとして考えている」このように考えていても、「漁師になるための方法や就労に関する情報が手に入りにくい」、「できるかどうか不安なの2020.10.6JFレポートJF全漁連編集部
座学だけじゃない、JF全漁連の新人研修。水産加工場でイカをさばき、石油コンビナートで燃油タンクに上り、内容満載!こんにちは。JF全漁連編集部です。 先日、新たに仲間入りした4人の新入職員について紹介しました。 今回はその続報として、入会後3週間にわたって実施された「新人研修」の様子をお届けします。 入会式の様子2024.5.9JFレポートJF全漁連編集部
ポストコロナ時代における魚食の方向性探る ―水産庁シンポジウム「おさかな進歩2020」レポート―水産庁が2012年8月から開始した「魚の国のしあわせ」プロジェクト。これは、漁業者、水産関係団体、流通業者、食品製造業者、行政など、水産物に関わるあらゆる関係者が一体となって行う魚食普及の取り組みです2020.9.28JFレポートJF全漁連編集部