【発酵子育てキッチン】わが家に「活き車海老」がやってきた!

つい先日年が明けたと思ったら、はや1月も後半。まさに光陰矢の如し!…ですね。
お正月はSNSでたくさんの方の華やかなおせち料理の写真を見て、楽しませていただきました。
中でも存在感を感じたのは「有頭エビ」! 鮮やかな赤色に、その姿かたち。曲がった腰と長いひげが“長寿”を表し、目が飛び出しているから“めでたい”といわれる縁起物です。

さて、「エビ」と一口に言ってもたくさんの種類があります。皆さんがお正月に食べたのは何海老でしたか?

わが家では、毎年年末年始のお楽しみ♪と称して「活き車海老」を熊本の天草(JF全国女性連フレッシュ・ミズ部会の深川沙央里さん)からお取り寄せして、すぐ近くに住む実家の両親と一緒にいただいています。普段はなかなかお目にかかれない国産の車エビは、わが家では年に一回の贅沢です。

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命を実感する活き海老の観察

「活き車海老」はおがくずに埋められ、丁寧に梱包されて届きます。
箱には「和(YAMATO)車海老」の文字。生産者さんのこだわりを感じます。

それでは、わが家の三姉妹の開封動画をどうぞ(笑)

お目汚し失礼いたしました(笑)。本当に生きているんです(笑)。
こんな風に、毎年、クルマエビちゃんをつんつんしては、キャーキャー騒いでおります。
本当は、届いたら氷締めにすれば大人しくなるのですけどね。
わざと生きている姿を観察しています。
ふだん見かけるのはむきエビばかり。“命をいただく”ということを実感します。

おがくずをきれいに洗い流しました

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しゃぶしゃぶ・塩焼き・酒蒸しに

新鮮なので、いろいろな食べ方で楽しめます。
まずはしゃぶしゃぶ。お刺身でもいただける鮮度です。
頭と殻を取って、むき身に。これは私がやりましたが、大人の私も生きているクルマエビの頭を取るのは、可哀想でいたたまれない気持ちになります…。命に感謝して、おいしく食べようと心に誓います。

昆布出汁にサッとくぐらせて・・・・・・

ぽん酢をつけて、いただきます♪

「おいしいね!」と三女。

「甘~い!」と次女。

残念ながら、魚介が苦手な長女は食べません…。プリっとして、こんなにおいしいのになあ~!

お次は塩焼きと酒蒸し。
塩焼きは、背中が曲がらないよう串に刺して焼きます。

酒蒸しは、腰を曲がらせて縁起よく。
フライパンに入れたら、塩を振って(塩糀を使っても美味!)酒を少々。
蓋をして、色が変わるまで蒸したらあとは余熱で火を通す。
数分でできます。加熱しすぎないように。

できました♪ ツヤツヤしています。クルマエビは紅白のシマシマが美しくてこれがめでたい日に本当にぴったりです。

香ばしく、エビの香りが際立つ塩焼き。
しっとりで、エビの甘味が引き立つ酒蒸し。
どちらもクルマエビそのものの、風味が味わえるシンプルな料理です。

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頭も活用

さて、有頭エビをいただいた後に残る頭。これは揚げたり、味噌汁に入れたりしてもおいしいのですが、今回はフレンチ風の海老出汁を取ってみることにしました!

いつも使う食材でできるんですよ〜。
調味料以外の材料は大体こんな感じです。クルマエビの頭と香味野菜(にんにく・玉ねぎ・にんじんをみじん切りに)、そしてトマト缶。わが家では、常備しているものばかり。

出汁の取り方もこんなもんかな~と適当(笑)。和食以外の調理方法を知っている現代人は楽しいな〜って思います。参考程度に紹介しますね!

<作り方>
(1)フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくに火を通す。
(2)エビの頭を炒める。
(3)玉ねぎとにんじんを入れ、海老をつぶしながらよく焼きつける。
(4)ブランデー(なければ、酒やワインでも)で香りづけ。

(5)トマト缶・水・ハーブ(ローリエ・パセリ)を入れ、アクを取りながら煮出す。
(6)ぎゅっと濾す。
(7)搾りかすをフライパンに戻し、水を入れて煮出し、二番出汁を取る。
(8)もう一度濾して、エキスを残らず搾りだす。

なかなか手間ですね(汗)。時間のあるお正月休みだからこそなせる業。
しかし、執念で濃厚なエビ出汁が取れました!

(9)これに生クリーム・赤ワイン・塩糀・コショウを加え、エビのビスク(風)の完成です!

スープとしては、完成度はまあまあだったのですが(笑)、かなり濃厚なエビスープが取れて満足です♪ このスープでエビスパイスカレーを作ったら最高でした! 二度も三度もおいしい!

こうして頭から尻尾の先まで活用できるのが、有頭エビの素晴らしいところ。
命をまるごといただく。これが一番の食育かもしれない…と思います。

「活き車海老」はAMAKUSA産直市場便((株)クリエーションWEB PLANNING)で購入しました。

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  • 高木 佐知子(たかぎ さちこ)

    Cozy Kitchen代表。糀マイスター、みそソムリエ。 「発酵子育てキッチン」連載がスタート! 2019年11月~2020年11月まで、「糀で時短レシピ」を連載。糀の力を活用した、簡単だけどおいしくてヘルシーなレシピを紹介してきました。 2020年12月からは、「発酵子育てキッチン」と題し、リアルな子育て・食育奮闘記の連載がスタートしました。   【現役ワーママの食育事情―「発酵子育てキッチン」連載にあたり】 年の差三姉妹(15歳・7歳・5歳)の子育てと通勤生活に奔走する中、“糀でおいしく健康&毎日無理ない炊事”をテーマに日々料理研究している高木です。   子育てと通勤をこなす日々は本当に忙しいです! 高木家では、毎日の炊事は時短が基本だけどときどき子どもたちと“キッチンに立つ”時間を大切にしています。   料理を任せたときの、子どもの真剣な眼差し。これがたまらなくいいのです。そしてできた!時のキラキラした笑顔。きっと子どもの力になると信じています。   「食べること」=「生きる力」。 「食育」という言葉が定着して久しいけれど、食の基本は家で育むものと思います。   とはいえ、私もドタバタ子育て真っ最中で自信なんて全くありません! 時間の余裕のなさに、家族にイライラをぶつけてしまって反省することもよくあること。   何が正しいかなんてわからないけど、“台所仕事は楽しい”を共有できたらきっといい時間になるし、子どもの生きる力につながるはず…と。   平日は忙しくとも、ゆっくりできる週末に家族で農業体験をしたり、季節の発酵食品づくりをしたり、魚を丸ごと捌いたり・・・・・・。 そして時には食育失敗談も…!?高木家のリアルな“発酵子育てキッチン”をお伝えできたら…と思います。   ——“発酵”を待つように、成長をあせらず見守りたいな。親も子も一緒にのびのび発酵♪   【略歴】 旬の魚とお酒に目がないワーキングマザー。日本さかな検定2級。 千葉県生まれ。農家の祖父母のもとに育ち、幼少より発酵食品に親しむ。現在は子育てと仕事に奔走する傍ら、料理研究する日々。自家製発酵食品を活用して、忙しくても無理なく続けられる“台所仕事”とお気楽“食養生”を、身をもって実行している。 活動実績は、発酵料理講師、飲食店の糀メニュー監修・レシピ開発、メディア取材協力、第2回フレッシュミズ部会講師、プライドフィッシュを使った料理教室など。流山市在住。   Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook:https://www.facebook.com/cozykitchen.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/cozykitchen_jp/

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