簡単おさかな料理 糀で時短レシピ「秋鮭の酒粕ムニエル~マッシュポテトたっぷり~」 2020.9.30 高木 佐知子(たかぎ さちこ) 印刷する やっと暑さが和らいだなあ、とホッとしていたらまたたく間に秋の気配を感じるようになりました。店頭には秋の魚が並び始め、あの永遠に続くのではないかと思うほどだったうだるような暑さを忘れさせてくれるようです。 中でもひときわ目につくのが橙色の鮭の身。お財布に優しいし、調理しやすいから、つい手が伸びます。 わが家では、鮭の切り身は塩糀漬け焼が定番だけど、今日は食欲の秋にぴったり!のとっておきメニューをご紹介したいと思います♪ 漬け床いらず“使い切り”の粕漬けで今日の秋鮭スペシャルは……笑。「秋鮭の酒粕ムニエルわさび醤油バターソース~マッシュポテトときのこを添えて~」です。長い!(笑)でもこの魅力をお伝えしたくて。 ムニエルは塩糀漬けにした切り身で作ってもおいしいのですが、粕漬けをアレンジすることでより芳醇な味わいになります。和食イメージの強い粕漬けでムニエル!?と驚くかもしれませんが、「酒粕」は洋風アレンジが得意なのです。酒粕が苦手な人でもおいしく食べられ、ご飯にもパンにも合うおかずになりますよ。 今回のかんたんポイントは、酒粕・みそ・みりんを合わせて切り身に塗るだけの“使い切り粕漬けの素”で粕漬けをつくること。ビニール袋やトレーで漬けられるから、お手軽! ムニエルにせずとも、いつでも旬の魚でお手軽粕漬けを楽しんで♪ 【材料・下ごしらえ】和の合わせ調味料がおいしさの秘密・鮭の切り身はペーパーなどで水気をおさえてから、混ぜ合わせた(粕漬けの素)を切り身の表面に塗り、冷蔵庫で30分~1晩くらい漬ける ・ニンニクはスライスして芽を取り、パセリは刻んでおく ・(ソース)の材料を混ぜ合わせておく ・ジャガイモは皮をむいて、8等分くらいに切っておく ・エリンギは、食べやすい大きさに手で割いておく 【つくり方】マッシュポテト→ムニエル→ソースの順に仕上げます。 ①<マッシュポテトをつくる>切ったジャガイモを鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れて強火にかける。沸騰したら弱火にし、やわらかくなるまで茹でる。 ※時間のある時は、皮つきのまま丸ごと茹でてから皮をむくとより美味しい。時短にはカットしたジャガイモでOK♪ ②お湯を切り、中火で水気を飛ばし、粉ふきいものようになったら火からおろす。熱いうちにバターを入れ、マッシャーなどでつぶす。 ③②をのばすように牛乳を少しずつ加えながら混ぜる。ペースト状になったら、塩・コショウ・ナツメグを各少々加え、控えめに味つけする。 ※ハンバーグなどの臭み消しに使うナツメグですが、じゃがいも料理にもぴったり!さわやかな香りが、ぽってりしたマッシュポテトにマッチ♪ ④お皿に平らに盛り付けておく。 たっぷりのマッシュポテトが芋好きにはたまりません~♪ ⑤<ムニエルを焼く>漬けた鮭は、表面のみそ粕を指でぬぐい、コショウをふってから米粉(または薄力粉)を薄くまぶす。 ※ぬぐったみそ粕は、味噌汁に入れたり、炒め物の調味料にしたりすれば再利用できますよ♪ ⑥フライパンに油とニンニクを入れ、中火で熱する。ニンニクはきつね色になったら取り出しておく。 ⑦⑥のフライパンで、⑤の鮭を皮目から焼く。焦げやすいので、弱火で蓋をしてじっくり。 ⑧裏返したら、エリンギも入れて、もう一度蓋をして蒸し焼きに。最後に蓋を取って、火を強めてカリッと仕上げる。 ⑨④のマッシュポテトの上に盛り付ける。 ⑩<ソースを作る>同じフライパンに、⑥で取り出したニンニクと合わせた(ソース)の材料を入れ、煮たててアルコールを飛ばし、仕上げにバターを溶かし混ぜる。 ⑪ムニエルとマッシュポテトの上にソースをかけて完成~♪刻んだパセリも散らしてね。 いただきま~す!!秋らしい盛り付けの仕上がりにうっとりしながらも(自画自賛(笑))、冷めないうちに召し上がれ。 ニンニクの効いた香ばしい醤油ソースが食欲をそそります。かくし味のワサビが鮭ともマッシュポテトとも絶妙な相性。酒粕とみそで漬けた鮭の身はしっとりやわらか。酒粕の力が旨味を引き出し、芳醇な香りとともに味に深みを与えています。 添えたきのこもおいしい!ちょっと上品な盛り付けになっちゃったけど、気取らずにもっとたっぷり入れればよかったかな、なんて。 ああ、暑さで落ちた食欲もすっかり元通りのようです(笑)。 日々の美味しい暮らしを発信中 Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook Instagram レシピ発酵高木 佐知子(たかぎ さちこ)Cozy Kitchen代表。糀マイスター、みそソムリエ。 「発酵子育てキッチン」連載がスタート! 2019年11月~2020年11月まで、「糀で時短レシピ」を連載。糀の力を活用した、簡単だけどおいしくてヘルシーなレシピを紹介してきました。 2020年12月からは、「発酵子育てキッチン」と題し、リアルな子育て・食育奮闘記の連載がスタートしました。 【現役ワーママの食育事情―「発酵子育てキッチン」連載にあたり】 年の差三姉妹(15歳・7歳・5歳)の子育てと通勤生活に奔走する中、“糀でおいしく健康&毎日無理ない炊事”をテーマに日々料理研究している高木です。 子育てと通勤をこなす日々は本当に忙しいです! 高木家では、毎日の炊事は時短が基本だけどときどき子どもたちと“キッチンに立つ”時間を大切にしています。 料理を任せたときの、子どもの真剣な眼差し。これがたまらなくいいのです。そしてできた!時のキラキラした笑顔。きっと子どもの力になると信じています。 「食べること」=「生きる力」。 「食育」という言葉が定着して久しいけれど、食の基本は家で育むものと思います。 とはいえ、私もドタバタ子育て真っ最中で自信なんて全くありません! 時間の余裕のなさに、家族にイライラをぶつけてしまって反省することもよくあること。 何が正しいかなんてわからないけど、“台所仕事は楽しい”を共有できたらきっといい時間になるし、子どもの生きる力につながるはず…と。 平日は忙しくとも、ゆっくりできる週末に家族で農業体験をしたり、季節の発酵食品づくりをしたり、魚を丸ごと捌いたり・・・・・・。 そして時には食育失敗談も…!?高木家のリアルな“発酵子育てキッチン”をお伝えできたら…と思います。 ——“発酵”を待つように、成長をあせらず見守りたいな。親も子も一緒にのびのび発酵♪ 【略歴】 旬の魚とお酒に目がないワーキングマザー。日本さかな検定2級。 千葉県生まれ。農家の祖父母のもとに育ち、幼少より発酵食品に親しむ。現在は子育てと仕事に奔走する傍ら、料理研究する日々。自家製発酵食品を活用して、忙しくても無理なく続けられる“台所仕事”とお気楽“食養生”を、身をもって実行している。 活動実績は、発酵料理講師、飲食店の糀メニュー監修・レシピ開発、メディア取材協力、第2回フレッシュミズ部会講師、プライドフィッシュを使った料理教室など。流山市在住。 Cozy Kitchen〜醸す台所〜 Facebook:https://www.facebook.com/cozykitchen.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/cozykitchen_jp/このライターの記事をもっと読む
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